研究課題/領域番号 |
20K12854
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
藤岡 真衣 関西大学, 研究推進部, 非常勤研究員 (20774607)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 劇場建設 / 近代大阪 / 道頓堀 / 中村儀右衛門 / 都市景観 |
研究実績の概要 |
本研究は、これまでの演劇史や劇場史の研究を踏まえ、劇場建設や興行に関連する諸資料をてがかりとしながら、明治期以降における大阪の劇場工事の経過や興行関係者を解明することで、劇場建設が都市景観の形成に与えた影響を考察することを目的とする。2022年度は、道頓堀の劇場建設および興行関係者等に注目し、以下のような3つのテーマをもうけて調査を実施した。 (1)江戸時代の道頓堀の劇場と櫓 (2)明治期の道頓堀の劇場建設 (3)大正期から昭和期にかけての道頓堀の風景と劇場 劇場建設が都市景観の形成にどのような影響を与えたのかを考察するため、道頓堀の劇場建設の経過や興行関係者の動向に関連する新聞記事・文献資料・演劇関係資料を調べるとともに、道頓堀に関する絵画資料や写真資料等の調査も行なった。主に関西大学図書館や国立劇場伝統芸能情報館図書閲覧室等での資料調査・閲覧・複写を行なうとともに、オンラインのデジタルコレクションやデータベース等を使用した資料の収集、近世・近代の芸能興行に関する研究図書・論文等の収集も進めた。また、大阪の劇場建築の構造等を把握するため、地域に現存する明治期に建てられた劇場の調査を行なった。収集した諸資料については、デジタル化(翻刻およびデータ入力)を進めて分析した。 上記の調査・分析で得られた研究成果の一部を「道頓堀の劇場と櫓」(『関西大学博物館紀要』第29号、2023年3月、15~28頁)としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では、劇場建設・興行の関連資料を所蔵する図書館・資料館・博物館施設等での調査・閲覧を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、予定していた現地での資料調査の一部を実施することができない状況となり、資料の収集・分析にやや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、これまでに実施した資料調査の分析を踏まえた上で、劇場建設・興行の関連資料を所蔵する図書館・資料館・博物館施設等において補足調査を行ないたい。また、現地調査に加え、オンラインのデジタルコレクションやデータベース等を用いた資料調査・収集も実施する予定である。 劇場建設・興行に関連する文献資料・絵画資料・演劇関係資料・新聞記事等の収集・分析により、近代大阪の劇場工事の経過や興行関係者の動向を把握し、劇場建設が都市景観の形成に与えた影響を引き続き考察したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画では、関連資料を所蔵する図書館・資料館・博物館施設等での調査・閲覧を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響により、予定していた現地での資料調査の一部を実施することができない状況となったため、研究期間の延長を申請し、調査にかかる交通費および宿泊費等の諸経費を次年度に繰り越すこととなった。 2023年度は、これまでに実施した資料調査の分析を踏まえた上で、劇場建設・興行の関連資料を所蔵する図書館・資料館・博物館施設等において補足調査を行なう予定である。
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