研究課題
若手研究
本研究は、7から8世紀の金銅仏について、従来の図像の比較や様式による編年に加え、実験的な制作を通じて、その鋳造技法や造形を考察する。研究期間では、新型コロナの活動制限による遅れから、当初計画の一部が遂行できていないが、公表されている調査データを基にした鋳造による制作実験として、石膏型によるブロンズの模型制作と真土型(まねがた)を利用した模刻鋳造を記録した。また、古代金銅仏の制作に関する資料調査を行ない、古代金銅仏の研究を進めた。
彫刻史
本研究では、先行研究をもとに、蝋型鋳造による制作実験を行い、実際の制作を通じて、作例の造形や、材料について理解を深めた。また、朝鮮半島の作例や関連する文化財の資料として、東京大学総合研究博物館小石川分館所蔵の藤島亥治郎コレクションも取り扱った。鋳造の実施が難しいことから、実制作を伴う金銅仏の研究は少なく、古代における金銅仏の制作の様相を考察する上で重要な情報になると考える。