研究課題/領域番号 |
20K12862
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
河村 彩 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 助教 (20580707)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | キネチズム / キネティックアート / ソヴィエト非公式芸術 / ソッツアート / メディアアート |
研究実績の概要 |
当該年度は新型コロナウィルスの流行のために控えていた出張が可能となり、ようやく具体的に研究を進めることができた。2023年2月にはアメリカのラトガース大学附属Zimmerli美術館で研究調査を行った。当美術館は世界有数のソヴィエト非公式芸術の作品を所蔵しており、キネチズム関連の作品の調査を行った。また常設で展示されているソヴィエト非公式芸術の代表的作品の調査を行った。論文図版等に使用する作品の写真数十枚の撮影をおこなうことができた。またソッツ・アートの代表的なアーティストであるコマル&メラミードの企画展が開催されており、ほぼ目にすることもなく、カタログにも掲載されていない貴重な個人像の作品の調査を行うことができた。 また2022年12月には大阪万博記念公園資料館にて、大阪万博ソヴィエト館の調査および、キネチズムとも関連の深い、万博の美術やパヴィリオンを担当した「具体」や岡本太郎ら、1960-70年代の日本の前衛芸術家たちの活動を調査した。また大阪中之島美術館でも「具体」及びその周辺の芸術家たちの活動について調査を行った。 上記の調査をもとにし、当該年度はソヴィエト非公式芸術について、「闘争と逃走 ソヴィエト時代の反体制的な芸術をふりかえる」(『チェマダン 特別号 ウクライナ侵攻とロシアの現在』2022年5月、99-108頁)および「カバコフの白」(『コモンズ』第2号、東京工業大学未来の人類研究センター、2023年2月、70-76頁)の二つの論文を掲載することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大のため、予定していた出張をようやく行うことができた。またウクライナとの戦争の勃発のために、ロシア国内で予定していた調査が難しくなったため。
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今後の研究の推進方策 |
予定どおり、ロシアアヴァンギャルド及び非公式芸術の最大のコレクションの一つである、テッサロニキ国立美術館所蔵のコスタキコレクションの調査を行う。またロシアへの渡航はいまだ不安があるため、カタログや書籍など二次資料を参照して行える研究テーマで、論文の執筆や研究発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの感染およびウクライナでの戦争の勃発のせいで出張が困難となっため。 主としてテッサロニキ国立美術館にてロシア美術のコレクション「コスタキコレクション」の調査、カタログや書籍等の資料の購入を行う予定。
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