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2023 年度 実施状況報告書

ビナヤカの表象に関する体系的研究―密教的結界との関連をめぐって―

研究課題

研究課題/領域番号 20K12869
研究機関愛知学院大学

研究代表者

高橋 早紀子  愛知学院大学, 文学部, 准教授 (40770904)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワードビナヤカ / 地天 / 鬼神 / 結界 / 『陀羅尼集経』
研究実績の概要

本研究の目的は、密教的結界の概念や儀礼を踏まえて、“結界外に撃退される障礙神”と“結界内に祀られる守護神”という視点からビナヤカの表象を体系的に把握し、密教美術史上の意義を明らかにすることにあった。しかしながら、研究期間(二〇二〇年度から二〇二三年度)が新型コロナウイルス感染症の感染拡大と重なり、本研究の基礎となる国内外での実地調査や資料収集を十分に行うことができなかった。こうした状況から当初予定していた実地調査に基づく体系的研究の遂行は困難と判断されたため、国内の作例や図版の刊行されている作例に対象を絞り、刊行図版や文献史料の検討を中心に研究を進めた。
研究成果公表に関しては、広島大学主催の公開講座「仏教の世界宗教化と地域文化との交流―仏と神のサミット」において、「毘沙門天の東漸―地天と女神の融合」と題する講演を行い、研究成果を広く社会へ還元した。本講演では、ビナヤカとの関連も踏まえ、アジアにおける地天の図様の伝播と変容の様相を示した。また、神仏融合研究会主催の「特集 密教と神仏」において、「ヴィナーヤカの属性と図様に関する考察」と題する口頭発表を行い、最新の研究成果を公表した。本発表では、諸経軌に説かれるヴィナーヤカの属性や図様を確認した上で、“結界外に撃退される障礙神”と“結界内に祀られる守護神”という視点からインド・中国・日本における諸作例の図様の分析を試み、曼荼羅における位置づけについても展望を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究期間が新型コロナウイルス感染症の感染拡大と重なり、本研究の基礎となる国内外での実地調査や資料収集を十分に行うことができなかったため。

今後の研究の推進方策

当初予定していた実地調査に基づく体系的研究の遂行は困難と思われるため、今後は国内の作例や図版の刊行されている作例に対象を絞り、刊行図版や文献史料の検討を中心に進める。

次年度使用額が生じた理由

研究期間が新型コロナウイルス感染症の感染拡大と重なり、当初計画していた国内外での実地調査や資料収集を行うことができなかったため、次年度使用額が生じた。研究期間を延長して、国内での実地調査や資料収集等を中心に使用する計画である。

備考

高橋早紀子「毘沙門天の東漸―地天と女神の融合」(広島大学公開講座「仏教の世界宗教化と地域文化との交流―仏と神のサミット」、2023年11月25日)

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 「ヴィナーヤカの属性と図様に関する考察」2024

    • 著者名/発表者名
      高橋早紀子
    • 学会等名
      神仏融合研究会
    • 招待講演
  • [図書] 『「見える」ものや「見えない」ものをあらわす―東アジアの思想・文物・藝術』2024

    • 著者名/発表者名
      外村中、稲本泰生、古勝隆一、向井佑介、森下章司、内記理、魏藝、折山桂子、田中健一、中西俊英、船山徹、高橋早紀子、大平理紗、黄〔目+分〕、倉本尚徳、瀧朝子、増記隆介、塚本明日香、横手裕、福谷彬、西谷功、重田みち、清水健、呉孟晋
    • 総ページ数
      746
    • 出版者
      勉誠社
    • ISBN
      978-4-585-37012-3

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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