研究課題/領域番号 |
20K12885
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
宇津木 安来 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (30846621)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 日本舞踊 / 動作解析 / モーションキャプチャー / fMRI / 脳活動解析 / 動作解析 / 指導学習 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、熟練者特有に見られる体幹部の動作的特徴と心的特徴を、 生体工学と神経科学の観点から解明することである。 2020年度は、光学式モーションキャプチャを用いた本格的な熟練者の計測と、二次元の映像から深層学習を用いて人物のポーズを可視化するopenposeのプログラムを用いた熟練者の計測を行い、その後、ポスプロ作業および動作解析作業を進めた。光学式モーションキャプチャを用いての計測は精度が高く、三次元の情報を正確緻密に取得できるという利点がある。しかしその一方で、装置が大掛かりであるため場所や機会が限定され、なおかつ被験者にとっても負担が大きいという欠点もある。 本研究では、光学式モーションキャ プチャを用いた体幹部の動作分析(研究①)を行った後、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた舞踊動作時の脳活動分析(研究②)を行うことで、表出する動作的特徴の違いを超えてもなお共通する心的特徴の解明を目指す。更に、研究 ①で明らかとなった知見を指導言語の解釈として学習者に教示するという新しい指導方法を導入するとともに、それにより得られる教育効果を、生体工学、神経科学の両面から評価(研究③)するという研究計画を立てている。 研究③の段階で使用する教育効果確認のための動作解析については、今年度行なった予備実験によって、openposeのプログラムでも十分耐えうる精度を持つことが確認できたため、2021年度は光学式モーションキャプチャを用いての計測を再度行い、2022年度はこれに加えてopenposeのプログラムを用い、より多くの被験者に対し計測を行う。 また、fMRIを用いた脳活動の予備実験も加えて行い、2021年度・2022年度の本計測に向けた準備を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度はコロナ禍であったため、大人数での計測を行うことは難しい状況であった。 そのため、当初想定していたよりも被験者数はコンパクトにおさえての計測となったが、概ね計画通りに進展していると言えるだろう。
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今後の研究の推進方策 |
今後は当初の計画通り、引き続き計測実験を行う。 また、2021年度については研究成果の発表もより積極的に行なっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度はコロナ禍にあり、国内外への移動がなかった。 2021年度も引き続き国内外への移動は難しい状況であることが考えられるが、映像を用いた解析、記録用の機材を揃え、より精度の高い計測を行う。
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