研究課題/領域番号 |
20K12886
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
牧 奈歩美 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 講師 (80626888)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | VR / 全方位映像 / 絵画表現 |
研究実績の概要 |
本研究では、全方位映像において一次元を象徴する線やマチエールを有する絵画表現に着目し、画材の物質的な視覚表現の有効性を検証し、方法論の確立と一般化を目的としている。物理世界の法則を超越した空間表現が可能な手描きによる絵画表現に焦点を当てることで、これまで全方位映像における創作研究が対象としきれていなかった観点から、新しい方法論構築への寄与を目指している。 2020年度および2021年度は、描く寸法とスケール感覚・距離感覚の相対関係を明らかにするための対象としてエクイレクタングラー形式の画像作成を複数作成した。異なる寸法の人物が、従来の平面映像におけるショットサイズ(「ミディアムショット」他全6種)のうち、どれに最も近く該当すると感じるか、また対象がどのくらいの距離に位置すると感じるかを解明するための素材を作成した。また、作成した絵画素材・手法ごとに種類分けを実施し、エクイレクタングラー形式のシーンを各分類ごとに作成した。 2022年度は課題①に設定した実験を行い、被験者50人に体験させ、画材やその手法ごとにそれぞれがもたらすスケール感覚と距離感覚の特徴を、インタビューと質問紙を中心とした質的調査を行うための準備を行った。具体的には、前年度までに作成した素材を1つずつVR上に実装していった。また、実際にゴーグルを装着して目視で確認していき、必要な映像上の補正・調整などを順次行っていった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
産前産後休暇・育児休業(2021年12月5日~2023年2月7日)を取得した。そのため、2022年度は実質約2か月の研究期間しかなく、予定していた課題の調査分析開始に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は前年度までに作成した素材をVR上に実装し、必要な映像上の補正・調整完了する。そして実装作業が完了次第、被験者に体験させインタビューと質問紙を中心とした質的調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
産前産後休暇および育児休業を1年2か月取得し、当該年度は復帰日の2月8日から約2か月しか研究期間がなかったため、ほとんどの予定が後ろ倒しになった。 次年度は、当初2022年度に実施予定であったVR実装のためのコンピュータや調査のための機器・消耗品等に使用する予定である。
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