研究課題/領域番号 |
20K12889
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
佐々木 友輔 鳥取大学, 地域学部, 講師 (10777824)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 公共上映 / 自主上映 / 映画館 / 鳥取 / 自主映画 |
研究実績の概要 |
2017年から行っている、鳥取県内で映画・映像上映に関わる団体・個人へのインタビュー調査とアーカイブ制作を継続して実施した。鳥取県東部地区で活動する団体・個人へのインタビュー調査はほぼ完了したため、令和2年度は鳥取県中部地区と西部地区の団体・個人へと範囲を広げ、三朝中学校(学生向けの映像制作ワークショップを実施)、米子ガイナックス(米子映画事変の企画運営)、大山アニメーションプロジェクト(アニメーションのアーティストインレジデンス、上映イベントなどの企画)、現時点プロジェクト(映像作家・波田野州平を中心とする記録集団)の4組に新たにインタビュー調査を行い、各記録のアーカイブ化を行った。 東・中・西部で比較すると、劇場公開映画の上映活動が盛んな東部、自身が作り手として制作した自主映画やドキュメンタリー、アニメーションなどを上映する個人・団体が多く暮らす中部、映画・映像上映を行うだけでなく、企画者と観客が一体となってのコミュニティ作りを志向する団体が多い西部というように、地域ごとに異なる特色が見られた。 またインタビュー調査と並行して、各団体・個人の協力のもと、『映画愛の現在』と題したドキュメンタリー映画三部作の制作を行い、2020年11月7日(土)に第2部「旅の道づれ」(鳥取県中部編)をホテルセントパレス倉吉、2020年11月28日(土)に第3部「星を蒐める」(鳥取県西部編)を米子のガイナックスシアターで上映した。同シリーズの第1部「壁の向こうで」(鳥取県東部編)は第50回ロッテルダム国際映画祭への出品が決まっている。2020年10月10日(土)には、鳥取県立図書館で鳥取大学サイエンス・アカデミー「鳥取の映画文化について」と題した講演を行い、研究成果を地域に広く伝えることを試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年度中に、予定していた鳥取県東・中・西部で活動する団体・個人へのインタビュー調査はほぼ完了させることができた。また、インタビュー調査と並行して制作したドキュメンタリー『映画愛の現在』の上映も年度内に実施することができたため、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
これまでは鳥取県全域を対象として幅広くインタビュー調査を行ってきたが、今後は活動歴の長い団体に再度調査を依頼し、現在の活動だけでなく過去の活動についても詳しくお話を伺う予定である。またインタビュー調査の中で、過去に鳥取に存在した映画館についての情報が多く得られたため、今後は映画館の調査も併せて行い、映画館と公共上映活動の関係性について掘り下げていきたい。また出版や講演など、本研究の成果やアーカイブを広く公開するための具体的な方法を検討するつもりである。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、遠方への調査を取りやめたり、延期するなどの変更が生じたため、当初予定していた旅費の使用ができなかった。次年度は新型コロナウイルス感染症の状況を見ながら、延期していた調査も進めていきたい。
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