研究課題/領域番号 |
20K12892
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
吉田 隆之 大阪市立大学, 大学院都市経営研究科, 准教授 (00771859)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 芸術祭 / トリエンナーレ / アートプロジェクト / 地域づくり / アートコレクティブ / パンデミック / ポストオリンピック |
研究実績の概要 |
本研究では、数ヶ年で開催から約10年が経過する水と土の芸術祭、いちはらアート×ミックス、札幌国際芸術祭の3事例の芸術祭を中心に、地域づくりの中長期的効果・具体的プロセスを定性的に分析したすることとしていた。しかし、コロナ禍の継続などで国内の芸術祭のリサーチがままならないこと、2021年度秋からサバティカルを利用した在外研究で渡欧した事情などにかんがみ、改めて国内の芸術祭の既存の研究を再分析しつつ、海外の芸術祭の調査、分析を行い、国内の芸術祭との比較を視野に入れた研究を展開した。 まずは、国内の芸術祭に関しては、、拙論『《長者町山車プロジェクト》と《STUDIO TUBE》の比較―文化政策的意義と美学への応答都市型芸術祭』において、あいちトリエンナーレが地域づくりに影響を与えた主な2つのプロジェクトを取り上げ、両者が相まって地域に明確なインパクトを与えた稀有な例だったことに言及した。 一方で、イギリスの「コベントリービエンナーレ」、同時開催の「ターナー賞・展覧会」のリサーチを行った。その結果、アートコレクティブの活動が注目されるなど、パンデミック後の国内の芸術祭の地域づくりに関する重要な示唆を得た。 くわえて、2021年12月に国際シンポジウム「ポストオリンピックとアートプロジェクト-ストリートワイズ・オペラ/アート&ホームレス インターナショナルとココルームの交流からみえること」をオンラインで開催した。イギリスのコベントリー市で2021年秋に開催されたアート&ホームレス芸術祭などをとりあげ、ポストオリンピックのアートプロジェクト・芸術祭の一つのあり方を示唆した。それは、地域課題を踏まえた地域発の取り組みの普遍性を発見・再確認し、世界につなげて連帯し、前に進んでいく。ときには、オリンピック・万博などの大規模イベントともつながり、変革を起こしていくという方向性である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記のとおり、当初研究対象と予定した水と土の芸術祭、札幌国際芸術祭の2事例が中止、いちはらアート×ミックスは、2022年11月にようやく開催されたものの、同年10月から1年間サバティカルでヨーロッパで在外研究を実施したことから、研究の進捗が大幅に遅れている。それでも、あいちトリエンナーレにまつわるこれまでの研究を再分析したり、海外の芸術祭に焦点を当て、海外の事例と比較することで、国内の芸術祭の地域づくりのあり方、今後の戦略を明らかにする研究を展開した。
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今後の研究の推進方策 |
水と土の芸術祭については、終了後も、活動を継続する「小須戸ARTプロジェクト」に着目し、今後も調査、分析を継続していく。いちはらアート×ミックスは、2021年度開催後の状況をリサーチし、今後の動向を引き続き注視していく。札幌国際芸術祭については、札幌資料館を中心とした恒常的活動や次回2023年度の展開をとらえていきたい。2022年秋までヨーロッパでの在外研究を実施することから、2023年度上半期は、引き続き海外の芸術祭の調査、分析を行い、国内の芸術祭との比較を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度も、コロナ禍で現地調等ができなくなったこともあり、旅費を中心に未使用が生じた。次年度以降の現地調査の旅費にあてることとしたい。
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