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2021 年度 実施状況報告書

芸術に関わる人々にとっての労働・余暇・仕事――ジェンダーと移動からの社会学的探求

研究課題

研究課題/領域番号 20K12897
研究機関立教大学

研究代表者

高橋 かおり  立教大学, 社会情報教育研究センター, 助教 (30733787)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード芸術家 / Covid-19 / クラウドファンディング / ジェンダー / 移動 / 創造的労働
研究実績の概要

2021年度は、Covid-19下での移動の制限に関する調査と、ジェンダーと働き方について2つの調査研究を実施した。
第一に、Covid-19で移動が制限される中での芸術施設の経営や芸術家の活動維持について、調査研究を実施した。具体的な事例としては、緊急時の芸術家や芸術団体支援を行った公的政策の概要と問題点をまとめ、それらと並行して起こった自発的支援としてのクラウドファンディングの可能性と課題について、資料調査やインタビューを実施した。
クラウドファンディングについては、日本国内の私立美術館の事例を文化政策の国際的な文脈に位置付け、キングス・カレッジ・ロンドンの照井敬生氏とともに英語論文にまとめ、2022年度に刊行予定である。また、芸術家に対する公的支援を実施するために必要な調査の特徴と課題について『文化政策研究』第15号に研究ノートを投稿し、掲載された。
ジェンダーと働き方に関する調査としては、舞台業界の技術スタッフ(裏方)の女性に対するインタビューを開始し、業界構造としての問題と、男性ではないことにより抱える問題と、親になることにより発生する課題のそれぞれが複層的にかかわっていることが明らかになったものの、調査枠組みの調整と継続調査の実施が必要である。特に、英語圏の創造的労働研究とジェンダーの研究群との関連は今後の探究の余地がある。
なお、2020年度から引き続いて実施していた芸術家に関する社会学的研究の理論的整理については、紀要論文としてまとめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

インタビューの依頼が遅れており、あまり行えていない。また、国内外の出張が制限されていたため、首都圏以外の調査協力者や研究協力者とのやり取りが進まなかった。

今後の研究の推進方策

2022年度以降は特にインタビュー調査の依頼と実施を進めていく。すでに調査をしてもらった方々から機縁式に紹介を募りつつ、知見を深めていく。これまでは原則として対面での調査を実施していたが、今後はオンラインツールを併用しつつ、実施予定である。

次年度使用額が生じた理由

予定していた海外・国外の出張と調査が行えず、調査自体の依頼数も予定より少なくなったため、旅費と調査実施に関わる人件費の支出が少なくなった。
2022年度には、継続して調査の依頼と実施を行い、国内外の学会において積極的に成果発表を行う予定である。また、セミナー等も開催し、研究者や調査関係者との交流や意見交換も実施する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 芸術家定義の多義性を踏まえた調査の活用と継続2022

    • 著者名/発表者名
      髙橋かおり
    • 雑誌名

      文化政策研究

      巻: 15 ページ: 53-63

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 芸術家像の複層性と再帰的自己呈示――芸術社会学の展開と課題2022

    • 著者名/発表者名
      髙橋かおり
    • 雑誌名

      人間関係学研究

      巻: 23 ページ: 137-153

    • オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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