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2020 年度 実施状況報告書

明治期日本の対外文化交流ーフランスにおける日本文学受容を中心にー

研究課題

研究課題/領域番号 20K12931
研究機関早稲田大学

研究代表者

常田 槙子  早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (20801781)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードモトヨシ・サイゾウ / 日本文学 / 翻訳 / 文化交流
研究実績の概要

本研究は、明治期の日本において海外に留学した人物ならびに現地で日本文学の翻訳に務めたフランス人の足跡を辿ることにより、より多彩で重層的であった日仏交流の実相を明らかにすることを目的としている。今年度は計画に従い、パリで日本文学・文化を発信していたモトヨシ・サイゾウ(1869-1895)について調査を進めている。現時点では、フランス国立図書館の電子図書館を中心に、モトヨシのパリでの活動を辿っている段階であり、具体的な研究成果として発表できる状態にはないが、これまで不明であったモトヨシの足跡が明らかになってきつつある。モトヨシは27歳で亡くなったが、短い期間に集中して日本の文学、演劇、宗教をフランスに紹介し、時には詩人として作品を発表したほか、俳優として演じることもあった。特にPoemes de la Libellule(邦題は『蜻蛉集』、西園寺公望の下訳をもとに、フランス詩として和歌を翻訳したもの)を上梓したジュディット・ゴーチエとの親交や、東洋語学校の教師であったレオン・ド・ロニーに対する批判など、フランス人が日本を紹介していく当時の動きにもモトヨシが関わっていたことがわかってきた。また、日本だけではなく中国や韓国との関係を取り上げたり、フランス人の日本に対する誤った認識を正そうとしたりする姿勢も認められる。このようなモトヨシの活動はこれまでまったく知られてこなかったが、明治期の日仏交流の実態を明らかにするために重要であると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、担当していた授業がすべてオンライン授業となり、その準備に当初の予定以上の時間がかかってしまったため。

今後の研究の推進方策

今後は引き続きモトヨシ・サイゾウについて、その著述を検討していく予定である。その後は、当初の計画通り、石川剛、アンドレ・ボジャール、五姓田義松について、日本文学・文化の紹介に関する活動を調査する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの感染拡大により、受け持っていた授業が全てオンライン授業となったが、その準備に予想以上に時間がかかったため、当初の計画ほど研究に時間を費やせなくなってしまった。また、令和2年10月から、出産・育児のため一時研究を中断することになった。以上のことから、当該年度分について計画通り使用できず、繰り越すこととなった。
令和4年度から研究を再開予定であるが、主にパソコンと書籍を購入する計画である。

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公開日: 2021-12-27  

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