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2022 年度 実績報告書

ナラトロジーと空間論の接続による19世紀英国小説のテクスト相関性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K12964
研究機関東京都立大学

研究代表者

佐久間 千尋  東京都立大学, 人文科学研究科, 助教 (70837236)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードブロンテ姉妹 / ジョージ・エリオット / テクスト相関性 / ナラトロジー / 空間論 / 魔女
研究実績の概要

2022年度は、本研究課題の最終年度として、テクストの精読と先行研究の文献調査を中心に行い、成果を論文にまとめた。魔女の系譜の観点から、Jane Eyreにおける魔女狩りの構図を分析し、ドイツの魔女狩りを題材とした"The Witchfinder" (Blackwood’s Edinburgh Magazine, 1844)との相関性について論じた。Jane Eyreとおとぎ話の相関性を指摘する数多くの先行研究において言及されてこなかった両者の相関性を指摘するに至ったことは、ブロンテ姉妹の作品背景に新たな視座をもたらすことにつながった。研究成果をまとめた論文は国際学術誌に投稿し、現在査読中である。
Wuthering Heightsに関する前年度の研究発表における議論をもとにさらなる調査を実施し、内容を大幅に発展させた。Jacob GrimmのDeutsche Mythologie [1835]の要素が読みとれることを発見し、本作品が神話的要素とリアリズムの融合により創出されたことを明らかにした。研究成果をまとめた論文は国際学術誌に投稿し、現在査読中である。
ブロンテ姉妹の作品についての議論を踏まえ、George EliotのThe Mill on the Flossを魔女の系譜の観点から論じた。Maggieを取り巻く人物たちの関係性におとぎ話の要素を読みとり、本作品の背景にあるおとぎ話、神話、魔女狩りの史実という広大な文脈を明らかにした。本研究成果は2023年3月発行の『人文学報』において発表した。
本研究期間を通して、ブロンテ姉妹とジョージ・エリオットのテクストを精読し、先行研究を渉猟することにより、ドイツ・ロマン主義へとつながる系譜を構築する端緒を開くことができたことは一定の成果としてとらえている。本研究成果を次年度以降の研究課題においてさらに発展させていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Maggie as a Witch Figure: The Protagonist’s Fluctuations in The Mill on the Floss.2023

    • 著者名/発表者名
      Chihiro Sakuma
    • 雑誌名

      人文学報

      巻: 第519-13号 ページ: 1-19

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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