研究課題/領域番号 |
20K12970
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
瀧川 宏樹 大阪工業大学, 工学部, 講師 (70823665)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ブロンテ / ブランウェル / 男性 |
研究実績の概要 |
令和4年(2022年)度は、まず、前々年(2020年)度および前年(2021年)度に行った研究発表を、論文としてまとめ上げた。また、引き続き、ブランウェル・ブロンテの作品の分析、および資料収集、文献の整理や理解に時間を割き、令和5年(2023年)度への発表に向けて準備を行った。 先述の前年(2021年)度までの成果では、エリザベス・ギャスケルの『シャーロット・ブロンテの生涯』に描かれたブランウェル像のより詳細な分析と、1832年までのブランウェル作品の分析を行った。その際に明らかになったことは、男性に対する完全無欠な英雄という単純な男性像のイメージが強い中で、「イギリス人の手紙」という作品から登場したロウグ(後のアレグザンダー・パーシー)という悪漢の人生にブランウェルが興味を持ち始めたことであった。 1833年の「海賊」という作品では、それまでのブランウェルの作品ではほとんど見られなかった、女性の登場人物が出現している。英雄を主軸にした最初期の作品から、悪漢を主軸に据える変化に加え、女性がそこに加わることによって、男性像にどのような変化がみられるのかを中心に分析を進めた。 一方で、戦場に対する興味も衰えることはなく、1833年末に執筆された「侵略戦争の歴史的物語」では再び戦場での男性たちが描かれることとなる。 ブロンテの初期作品は、父親がブランウェルに買い与えた兵隊人形から始まっている。幼いころから夢中になっていた戦場での男たちの根強い姿が、1834年以降、ブランウェルもまた青年になり、自身のキャリアをどうするかという問題に直面するにつれて、どのように変遷していくのか、更なる分析を進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年(2021年)度までのコロナ禍の影響による諸々の遅延や、エリザベス・ギャスケルの『シャーロット・ブロンテの生涯』で描かれたブランウェル像に焦点を当てる研究に重きを置いたことにより、ブランウェル作品の分析が遅れてしまった。その遅れを今年(2022年)度も取り戻すことができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
ブランウェル作品の分析を進め、年代順に変遷を追う形で発表を継続していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
公務により学会に参加できなかったり、また、ハイブリッド開催でオンライン参加をした学会もあったため、旅費に使用する機会があまりなかったため。 次年(2023年)度以降の対面学会参加や国際学会参加の機会に使用したい。
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