研究実績の概要 |
本研究課題は、1920年代のアヴァンギャルドの文学を、①詩的散文、②パロディー散文、③ファクトの文学、の3局面に即して検証するものである。2020-2021年度は③に、2022年度は②と③に取り組んだ。最終年度である2023年度は、本研究課題の総括を行うべく、関連するテーマについて様々な観点から検証を行い、その結果を国際学会や国際論集で発表した。 ①については、ロシア語の口頭発表「A. クルチョーヌィフと未来主義の遺産:詩人の1920年代の活動について」第9回国際会議「スラヴ人文学の現在の諸問題:形式と意味。V. シクロフスキー生誕130周年記念」台北、於国立政治大学、2023年11月12日、を行った。 ③については、ロシア語の口頭発表「マヤコフスキーと生活建設の芸術:生産芸術の成立過程について」国際学会「マヤコフスキー2023:生誕130周年記念」モスクワ、於世界文学研究所、2023年9月20日、を行った。また、学術論文 “The Problem of ‘Knowledge’ in LEF and A. Voronsky’s Literary Controversy,” Interface, Issue 23 (2024), pp. 5-15 を発表した。 また、1920年代のロシア文学(特にプロレタリア派)が日本文学に及ぼした影響について論じたロシア語論文「蔵原惟人と「プロレタリア・リアリズム」:1920年代日本におけるプロレタリア文学」in Shin'ichi Murata and Stefano Aloe, eds., The Reception of East Slavic Literatures in the West and the East (Firenze: Firenze University Press, 2023), pp. 159-172、を発表した。
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