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2022 年度 実施状況報告書

16世紀の文学・思想の中でのジャン・ボダン

研究課題

研究課題/領域番号 20K12986
研究機関学習院大学

研究代表者

志々見 剛  学習院大学, 文学部, 准教授 (40738069)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードボダン
研究実績の概要

本年度は、昨年度に引き続き、本研究の主要な対象であるジャン・ボダンの著作のうち、『魔女の悪魔狂について』、ならびに『歴史を容易に理解するための方法』を中心に、研究を進めた。彼の同時代、あるいはそれに前後する時代の、フランスを中心とした思想の潮流の中で、改めてこれらの著作の意義を考えたいと思ったためである。以前から研究を行っている『エセー』の著者モンテーニュというのが一つの軸になるが、これに加えて、いわゆるネテスハイムのアグリッパ(特に『諸学芸の不確実さと虚しさについて』)との関係についても、検討を行った。この著作が提起するパラドクサルな議論は、決して安易に不可知論や懐疑主義といったレッテルを貼って理解できるようなものではなく、ボダン自身も、例えば、伝聞や書物を介して得た知識の真実性や有用性をいかに見極めることができるか、といった問題を考える際に、アグリッパの議論を(その名前を直接上げることはしないが、それでも明らかにわかるような形で)踏まえているのである。
アグリッパも含む16世紀前半の動向を考えるうえで、もう一つ、本年度の終わりから取り組んでいるのは、ラブレー(特に『パンタグリュエル」、『ガルガンチュア』)および、彼に関する先行研究を渉猟した。これらにおいては、真実と虚構をめぐる問題が一つのテーマとしてあるだけでなく、それがいかがわしい語り手の介在によってわざと歪められている。これを参照項とすることで、ボダンの著作をより立体的に捉えることができる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

公私に多忙で、海外での資料調査はできないままだった。

今後の研究の推進方策

次年度はある程度まとまった時間をとることができそうなので、これまでの研究を踏まえて、論文をまとめていきたいと考えている。また、当初の計画からするとかなりずれこんでしまったが、海外(フランス)での資料調査も計画している。

次年度使用額が生じた理由

当初計画していた海外での資料調査が、本年度は行えなかった。

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公開日: 2023-12-25  

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