研究課題/領域番号 |
20K12993
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研究機関 | 名古屋外国語大学 |
研究代表者 |
石田 聖子 名古屋外国語大学, 世界教養学部, 准教授 (10795230)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ファシズム / 映画政策 / チェーザレ・ザヴァッティーニ / 自転車泥棒 / ネオレアリズモ |
研究実績の概要 |
主な研究実績は次の二点である。 1)1920~40年代イタリア社会における映像メディアの重要性の増大を推し進めたファシズム体制による映像メディア認識とその利用実態を明らかにするために必要な文献の収集を実施した。なかでも1930年代以降の体制の映像メディア統制を一手に担った大衆文化省映画総局長ルイジ・フレッディの手記の入手が肝要だった。絶版であり、古本としても一切流通していない当文献を綿密な調査や聴き取りの末に入手し、以降精読を進めている。 2)1930年代以降イタリアにおいて芸術ジャンルを自在に横断しつつ表現をつづけたチェーザレ・ザヴァッティーニが原案・脚本を担当した映画『自転車泥棒』を中心に調査を実施し、その成果を「『自転車泥棒』という哀と愛の映画」(『世界は映画でできている』石田聖子、白井史人編、pp. 70-114、名古屋外国語大学出版会、2021年)にまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大のため、当初予定していた海外(イタリア)での映像資料・文献調査の実施の断念を余儀なくされた。そのため、手元にある文献、国内で入手できる文献、インターネット上で注文・入手できる文献・情報を利用した研究を優先的に進めることとした。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、海外(イタリア)での資料調査が困難となる可能性が高いことから、国内にて実施可能な調査・研究を優先的に実施する。次年度はとくに、通信環境を整備したうえで、ファシズム体制が製作したニュース映画にみられる表象の整理と分析を実施し、その特徴について考察を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大のため、海外(イタリア)出張を実施することができず、旅費が不要となった。渡航が可能になり次第、出張を実施する。
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