研究課題/領域番号 |
20K12993
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研究機関 | 名古屋外国語大学 |
研究代表者 |
石田 聖子 名古屋外国語大学, 世界教養学部, 准教授 (10795230)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ファシズム / 映画政策 / チェーザレ・ザヴァッティーニ / ネオレアリズモ |
研究実績の概要 |
1)1930年代以降、イタリア・ファシズム体制の映像メディア統制を一手に担った大衆文化省映画総局長ルイジ・フレッディの手記『映画』の精読を実施し、イタリア・ファシズム体制の映画理解について研究を進めた。 2)1930年代以降イタリアにおいて芸術ジャンルを自在に横断しつつ表現したチェーザレ・ザヴァッティーニについて、その多彩な表現に通底する詩学をめぐる論文をイタリア語で執筆し、アメリカの学術雑誌に投稿した(現在、査読中)。 3)12月10日にイタリア・サルデーニャ島で開催された、グラツィア・デレッダ生誕150周年記念シンポジウムにオンラインで参加し、グラツィア・デレッダ文学の日本での受容状況、ならびに、イタリアの作家として逸早く映画化されたグラツィア・デレッダ文学と映像との親和性について論じた。また、発表内容をまとめたプロシーディング原稿を準備し、投稿した。 4)諸芸術の融合可能性を先駆的に感知し、表現を行った未来派のとくに映画に関する研究を実施し、論文「〈ヴァラエティ・ショー宣言〉を読む―未来派映画の可能性をめぐって」(『立命館言語文化研究』、立命館大学国際言語文化研究所、33巻2号、pp. 37-52、2021年11月)にまとめた。また、同誌上では「ヴァラエティ・ショー宣言」の日本語訳も手がけた(『立命館言語文化研究』、立命館大学国際言語文化研究所、33巻2号、pp. 53-58、2021年11月)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大のため、当初予定していた海外(イタリア)への映像資料・文献資料調査実施の断念を余儀なくされた。そのため、手元にある文献、国内で入手できる文献、インターネット上で入手できる文献・情報を利用した研究を優先的に実施した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、海外(イタリア)での資料調査が困難となる可能性が高いことから、国内にて実施可能な調査・研究を優先的に実施する。とくに、ファシズム体制の映画利用とその実態の解明に加え、ネオレアリズモの日本への影響について考察を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大のため、当初予定していた海外(イタリア)での資料調査の実施の断念を余儀なくされたため。
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