研究課題/領域番号 |
20K12996
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
藤原 まみ 山口大学, 国際総合科学部, 准教授 (30721964)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ラフカディオ・ハーン / 日本語文学 / 移民 / フランス語文学の英語翻訳 / 旧植民地 / 英語教育 / 国語教育 / 日本語教育 |
研究実績の概要 |
初年度の成果は、1件の査読論文、2件の口頭発表(日本語)である。 この3件の研究成果は、いずれも、初年度の研究計画、「旧植民地等で使用された日本語(国語)、及び、英語教科書についての分析を行う」に関連するものである。 学術論文「『かむろ』における<カムロ>形成について」、口頭発表「海外移住者と日本在住者との情報共有と文化的アイデンティティ形成についてーー周防大島町沖家室島発行『かむろ』分析を中心にーー」、口頭発表「周防大島町沖家室島発行の雑誌『かむろ』の言説空間」は、旧植民地等に入植した日本語使用者たちの文学活動を、山口県周防大島町の島、沖家室島で1914年(大正3)から1940年まで刊行された雑誌『かむろ』を例にして論じた。この雑誌の編集者、寄稿者、購読者は沖家室島在住者と、沖家室島出身で国内各地、朝鮮半島、中国東北部、台湾、ハワイ、北米、南米、シンガポール、インドネシアなどで生活をしている者である。『かむろ』の精査を通じて、これまでJack London の研究において、詳細が不明であったLondonの私設秘書であった日本人の動向が判明した。今後は、この点に着目しながら、Lafcadio Hearnの作品とLondonの作品との関連性について、研究していく予定である。 ハーンの創作・翻訳・教育関係、及び、英語教育、日本語(国語)教育関連資料の収集、及び、ハーンのフランス語文学の英語翻訳についての分析は、次年度以降も継続していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
移動の制限に加えて、他県からの勤務者に対するテレワークが命じられたために、図書館はおろか研究室へのアクセスもままならず、さらに、大学の物品注文システムが学外からの注文を受け付けないために、事務職員の方々のサポートを得てはいても、資料収集においての困難が生じざるを得なかった。さらに、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、留学できなかった学生のための留学代替科目として、追加科目を担当したために、一日に5コマ実施することもあり、なかなか時間管理ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、ハーンの創作・翻訳・教育関係、及び、英語教育、日本語(国語)教育関連資料の収集を行う。また、ハーンのフランス語文学の英語翻訳について、旧植民地等で使用された日本語(国語)、及び、英語教科書について、さらに、移動という観点から、ハーンの創作・翻訳・教育活動について分析を行い、論文および口頭発表を準備する。
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次年度使用額が生じた理由 |
移動の宣言に加えて、他県からの勤務者に対するテレワークが命じられたために、図書館はおろか研究室へのアクセスもままならず、さらに、大学の物品注文システムが学外からの注文を受け付けないために、事務職員の方々のサポートを得てはいても、資料収集においての困難が生じざるを得なかった。今後はより計画的に書籍購入計画を立てて資料収集を行う。
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