研究課題/領域番号 |
20K12996
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
藤原 まみ 山口大学, 国際総合科学部, 准教授 (30721964)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ラフカディオ・ハーン / 芥川龍之介 / 翻訳 / ジャック・ロンドン / 移動 / 異文化接触 / 多文化共生 |
研究実績の概要 |
ラフカディオ・ハーン(Lafcadio Hearn, 小泉八雲 1850-1904)は文筆家であると同時に、フランス語文学の翻訳者であり、教育者でもあった。本研究はハーンの創作についての研究に加え、これまで十全に検証されていない、ハーンの翻訳と教育ついて取り組むことを目的とする。具体的には、ハーンによるフランス語文学の英語翻訳を精査し、彼の翻訳活動が彼の創作、及び、異文化理解や多文化共生を目指した彼の教育にどのような影響を及ぼしたかを特定し、ハーンの翻訳、創作、教育の相互影響関係を明らかにし、各活動を再評価する。本研究は島根や熊本におけるハーン研究関連の文化資源を活用する。さらに、これまであまり活用されてきていなかった山口における文化資源も活用しながら研究を進めている。 当該年度においては、昨年度からのハーンの翻訳関連の研究に加えて、ハーンの教育に関する問題との関連性が想定される事象について、研究を進めた。2022年3月にポーランドの日本学会がオンラインで開催したPracticing Japan --35 years of Japanese Studies in Poznan and Krakowでの研究発表を元に編集された書籍への執筆、山口大学研究推進体「人と移動研究推進体」の研究代表としてセミナーを開催し、専門領域が異なる研究者との意見交換などを通じて、当研究の進行・深化に邁進した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の影響によりオンライン会議システム活用が普及したおかげで、国際学会で発表したり、招待発表を行い、研究に有意義な知的交流を行うことができた。しかしながら、特に、ハーンの翻訳についての検討は着実に進め研究は充実したが、想定外に調査検討に時間がかかり当初の計画に遅延が生じるのではないかと危惧している。
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今後の研究の推進方策 |
学会発表や刊行など、研究成果の発表を計画的に進めたい。次年度においては、今年度に引き続いてハーンの翻訳・教育の問題を、(1)ポーランドのアダム・ミツケヴィッチ大学所属研究者との共同研究(研究代表)、山口大学時間学研究所研究プロジェクト「コロナ危機と時間学」採択研究プロジェクト「感染症と文学の「過去」「現在」そして「未来」――時間の加速と膠着が交錯する場における、群衆・異文化表象研究――」(2)専門分野を異にする研究プロジェクトメンバーとの共同研究(研究代表)山口大学研究推進体「人と移動研究推進体」と関連させながら実施するセミナーや国際シンポジウム等を通じて、深化させると同時に、成果発表をしていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ・ウィルスの影響により、当初の計画と異なり、旅費を使用できなかった。次年度は海外での国際会議に出席したり、研究成果を刊行することなどにより、予算を使用する予定である。
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