研究課題/領域番号 |
20K13007
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横森 大輔 京都大学, 国際高等教育院, 准教授 (90723990)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 聞き手行動 / 会話コーパス / ターンフォーマット / 会話分析 / 相互行為言語学 / 先取り完了 / プロソディ / 延伸 |
研究実績の概要 |
・研究課題3年目となり、過去の2年間から引き続いて、会話データの整備・ケーススタディの対象となる現象のコレクション作成・一部のケーススタディの成果発表を行った。 ・Journal of Pragmatics誌での採択が前年度に決定していた論文が正式公開された。 ・前年度に投稿していた、「問題がある状況について述べる発話」における「~けど」で終わるフォーマットを「~よ」で終わるフォーマットと比較し、義務論的含意(deontic implication)の観点から考察した論文について、査読結果を受けて改稿を進め、Journal of Japanese Linguisticsでの採択が決定した(2023年5月に正式公開された)。 ・会話における先取り完了(発話の共同構築)の現象のうち、特に後行話者が「語の途中の形態素」から発話を開始する現象についてコレクションを作成して分析を進め、エストニアでの国際学術集会にてその中間報告を行い、各国から参加者からフィードバックを受けた。また、その内容を発展させ、2023年度に開催予定の国際語用論学会での口頭発表に応募し、採択された。 ・英語のreallyと日本語の「ほんと」の比較分析について、特に下降調イントネーションを伴う場合に焦点をあてた分析を進め、2023年度に記載予定の国際会話分析学会での口頭発表に応募し、採択された。文節末延伸の韻律的バリエーションとその相互行為的基盤について、単一事例分析による試論をとりまとめ、2023年度中に出版予定の書籍の分担章の原稿として提出した。関連して、社会言語科学会第4回シンポジウム「プロソディを通して見る社会とコミュニケーション」にて、「相互行為の中のプロソディ」という題目で相互行為言語学の立場からの話題提供を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度、2023年度と相次いで研究成果をメジャーな国際誌(Journal of Pragmatics, Journal of Japanese Linguistics)に掲載している。また、これまでの研究成果の一部を取りまとめた論文や分担執筆章が、2023年度中に刊行予定の書籍の一部として複数公開される予定である。2022年度に分析に取り組んだテーマも、2023年度中に国際会議での発表が予定されており、将来的な論文刊行も期待される。
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今後の研究の推進方策 |
・引き続き、分析を実施しているいくつかのケーススタディについて、論文執筆を進める。 ・コロナ禍による困難のため新たな会話データ収録を行っていなかったが、本研究課題の遂行のためには、既有のデータを補うような新しいデータの収録と整備が求められる。 ・研究計画の最終年度として、これまでに取り組んできたケーススタディのそれぞれを論文の形でとりまとめるとともに、全体を包括するような概説書の執筆の計画なども立てていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は単年では収支のバランスは健全な範囲だが、前年度に大幅な不使用額があった(職場異動によるアルバイト人材確保の難しさと、コロナ禍による出張の中止が重なった)ため、約7万円の次年度使用額が生じた。
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