比喩は、理解や感情を引き出すレトリックである。比喩は意味の問題であるとみなされ、偏った構文形式だけが研究されてきた。本研究は、比喩の典型的構文と構文の広がりを明らかにした。副詞的な修飾構造の比喩が典型的であるということが、系統的に隔たりの大きい日本語と英語のあいだに共通していることが分かった。また、少数の用例しかもたない周辺的な構文タイプの用例数の合計は、典型的な構文の用例数よりも多く、「ロングテール」の頻度分布を示すことが分かった。さらに、比喩の構文タイプによって、伝えることのできる比喩的意味には制約があることが明らかになった。
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