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2022 年度 実施状況報告書

外国人介護人材受け入れに関する言語問題の再検討:言語政策の民族誌からのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 20K13021
研究機関北海道大学

研究代表者

大友 瑠璃子  北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (10815939)

研究期間 (年度) 2020-02-01 – 2025-03-31
キーワードフィールドワーク / 介護 / 移民 / EPA / 外国人
研究実績の概要

2020年、2021年度同様、2022年度も、新型コロナウィルス感染拡大・防止のため、フィールド調査を行う老人保健施設や特別介護老人ホームなどの外国人介護福祉士候補者を受け入れている施設を実際に訪れて視察することはできなかった。したがって、初年度から先延ばしにしていたフィールド調査場所の選定がそもそも行えておらず、予定していた参与観察やインタビュー調査を行う目途が立っていない。
このため、2022年度のフィールド調査に関する研究実績としては、調査対象施設のリストの更新作業に留まる。
フィールド調査以外の研究活動としては、類似研究・先行研究の調査・整理・レビュー、EPA関連資料および近年刷新された介護職にかかわる在留資格についての政府関係各所から出される情報を継続的にオンライン上で収集・整理し、読み込み、分析を行った。その結果を著書にまとめる作業も行った(2023年、刊行予定)。また、オンラインで行われるようになったEPAの説明会の動画などのデジタルデータや、EPAの日本語教育を請け負っている団体(一般財団法人海外産業人材育成協会や国際交流基金)が主催・ 共催して行っている介護に携わる在日外国人による日本語スピーチコンテストのビデオデータも収集・整理して、文字起こしの作業にも手を付け始めている。
2023年度は、感染状況を見つつ、フィールドワークの施設選定、視察などを始める予定ではいるが、フィールドワークの受け入れを拒否される可能性が大いに考えられるため、すでに収集した・現在収集中のテキストベースのデータ分析を中心とした研究に切り替える予定も考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

産後休暇・育児休暇のための留保期間、その後の育児と公務、教職の両立などのライフスタイルの変化、並びに新型コロナウィルスの感染拡大のため、当初計画していたことがほとんど実施できていない。

今後の研究の推進方策

新型コロナウィルスの今後の動向に大きく左右されるタイプのフィールドワークであるということがこの3年で分かった。介護施設ではない組織への視察さえ断られたこと、また、フィールドワーク先である介護福祉施設が、クラスター感染や施設利用者が高齢の場合、死亡リスクが高い場所の一つであり、また、介護従事者の労働環境の安全性を考慮して、研究者など外部のものが施設内に出入りすることに抵抗を示す可能性が大いに考えられることを鑑みると、今後の研究課題の推進方向は予測することは難しい。2023年度は、感染状況を見つつ、フィールドワークの施設選定、視察などの準備を始める予定ではいるが、むやみやたらに連絡を取ること自体も、施設の心証を損ねる可能性があるため、フィールドワークを中心とした研究自体を諦める可能性も考えつつ、現在まで収集したデジタルデータの分析に力を入れていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染拡大とそれに伴う各種措置のため、当初計画していたことのほとんどが実施できていない。したがって、2022年度に計上していた直接経費のほとんどを次年度に繰り越すことにした。
2023年度では、継続して行う文献収集に係る費用、文書分析に係る費用として計上する予定である。感染状況やフィールドワーク先からの許可を得ることができれば、フィールドワーク実施に向けての準備に係る旅費として計上する予定もある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The Discourse of Self-learning: An Analysis of Japan’s EPA Programme for Healthcare Workers from Southeast Asia2022

    • 著者名/発表者名
      Otomo Ruriko
    • 雑誌名

      Asian Studies Review

      巻: 46 ページ: 593~612

    • DOI

      10.1080/10357823.2022.2069675

    • 査読あり

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公開日: 2023-12-25  

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