研究課題/領域番号 |
20K13037
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
山下 里香 関東学院大学, 経済学部, 准教授 (70774206)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 移民 / 言語景観 / アイデンティティ / 社会言語学 |
研究実績の概要 |
今年度の前半は、国内外でのフィールドワークを予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収まらず、国内外で出入国の情勢が不安定だったこともあり、計画されたフィールドワークのほとんどはできなかった。8月に予定されていた国際学会への渡航も中止となった。しかし、感染拡大の合間の5月に静岡県、3月に豪州クイーンズランド州でのフィールドワークを行うことができた。特に3月の豪州でのフィールドワークでは、その後の調査につながるネットワークを見つけることができたという点で、有用であった。 大きな学会での発表や査読付き雑誌への投稿はなかったが、10月の日本語学会では、シンポジウム「日本語の社会に生きる言語マイノリティ」の登壇者として、報告「移民コミュニティと多言語使用の多様性―在日パキスタン系児童の事例から―」を行った(2022年度秋季大会予稿集p.159-164)。また、千葉大学で3月下旬に行われた「多言語社会と言語問題シンポジウム2022-2023」において、研究発表「移民教師による児童の日本語発話の繰り返し:多言語を使った言語社会化」を行った(査読付き)。 様々な研究会への参加を通じて、2023年度の初期の、国内研究会(東京移民言語フォーラム)での個人発表(本年度の豪州での調査の報告)、そして国内学会(日本言語政策学会)での言語的・記号的景観に関するパネル発表(自身による企画)が採択された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、ニューノーマルの進行に伴い、オンラインのみでできることが大きく減った。また、2020年度から新しいフィールドを探す予定だったものが、2022年度の後半にまで持ち越されたことが、進捗を少し遅いものとしている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年の3月に行った海外でのフィールドワークで手ごたえが得られたため、良い時期に渡航ができれば、本格的な調査を始めることが可能であると考えられる。また、国内学会での発表が採択されたことで、議論が進むことを見込むことができる。日本帰国時のハードルも低くなった2023年度は、国際学会での交流も期待できる。そのため、実質的に4年間のプロジェクトの実地調査の2年目相当の活動ができると見込んでいる。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外調査の渡航費を計上しているが、新型コロナウイルス感染症の感染状況が悪かったため海外渡航ができず、2020年より毎年繰り越しが生じている。
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