本研究の目的は、訓点資料本文データベースを作成するための基礎的研究および入力のためのシステムを構築していくことである。本年度は、訓点のデータベースを作成しつつ、入力システムの微調整をおこなっていった。データベースの作成にはMicrosoft Excelのマクロを使用している。多くのパソコンで利用でき、また、csv形式で保存することで、他のプログラミング言語のデータとしても使用することができるからである。 今年度は、テストデータのために作成していた、テスト用資料(九大所蔵の訓点資料)のテキストデータ化、現在知られている点図のデータおこしを完了させた。そこで、これまでに準備してきたシステムを活用しつながら、実際にデータベースの作成を進めていった。その過程で、機能の修正、項目の整理などもおこなった。 実際の資料を見ながら作成したデータベースの構造とつき比べていったことで、データ化した点図にない点の処理や、別筆による点の扱いなど、さらに検討するべき課題があることも明らかになった。さらに、データベースの研究利用を考慮すると、さらに項目が必要となることもわかってきた。これらの問題に対応しながら、システムを修正したり、データの仕組みの工夫したりといった、今後取り組むべき課題もみつけることができた。
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