• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

大正・昭和期の作文資料の国語学的展開

研究課題

研究課題/領域番号 20K13057
研究機関東亜大学

研究代表者

高谷 由貴  東亜大学, 人間科学部, 講師 (80866864)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード作文 / 昭和 / 大正 / 文法 / 日本語
研究実績の概要

「研究の目的」、「研究実施計画」に照らし、研究実績の概要を報告する。
本研究の目的は,作文資料の収集・保存・公開を通した活用である。作文資料は現在,日本全国の文学館・博物館あるいは個人が所蔵しており,まとまった形で閲覧することは難しい。
①第一の目的は,作文資料の収集である。今年度は,コロナの影響もあり,古書市場に赴いて資料を収集することが難しかった。しかし、インターネットの古書市場も含めて探索したところ,昭和前期の小学生による手書き資料をふくめ、作文資料を複数購入することができた。購入した資料については,書き起こしデータと資料を保管・管理しており、その上で②を進めている。
②第二の目的は,収集した資料を可能な限りの範囲で,一般・研究者向けに公開を行うことである。
これまでに,大正期・明治期の国語学資料の紹介として,一般向け展示を行ってきたが,現在は資料そのものの展示に加えて,WEB上で一般公開も進めている。今年は資料のWEB公開を,主として研究者に向けて行った。その一環として,昭和期の小学生・中学生の作文資料に関する報告書『東亜大学紀要』31号「昭和期作文資料の収集報告-昭和期の小学生・中学生による学習帳および投稿雑誌について-」の執筆を行った。報告書では,まず作文資料・手書き資料の概要とテキストの一部文字化を行い、内容についても要約を行った。今年,WEB上で公開予定である。今後、さらに語彙情報,品詞情報,話者情報などを加え,文法史・文体史研究に耐えるデータを構築していく予定である。最終的にはKH-coder等で使用可能なテキストデータの形で公開することを目指す。
③第三の目的である研究での利用について、本年度中の研究発表を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナウィルス感染拡大の影響により、古書市場が開かれる機会が非常に少なくなり、資料収集実施、調査実施に大きな影響が生じた。
しかしながら、数少ない対面での古書市場での収集の機会をとらえたことに加えて、インターネット書店での収集も行い、予定よりは少ないものの収集を行うことができた。また、ターゲットとしていた手書きの資料については、概要を報告書にまとめ、(単著)『東亜大学紀要』31号「昭和期作文資料の収集報告-昭和期の小学生・中学生による学習帳および投稿雑誌について-」の形で報告を行った。

今後の研究の推進方策

本年度中に、計画の目的①作文資料の収集②公開に加えて第三段階である③研究利用を進め、研究成果の報告書の公開、出版研究会での発表を行う予定である。
本研究の第三段階は,前述の通り,資料の研究資料としての利用である。現在もコーパス資料は時代・種類を拡充しつつあるが,中心的に構築・利用されてきたのは、中古・中世・近世といった19世紀までの「古典語」の資料、そして現代語の資料であった。一方、明治以降の大正・昭和期についてはこれまでまとまった形での言語データが少なく、資料の活用もますます進めていかなくてなならない段階である。
作文資料収集、公開用データの構築に加えて、すでに構築されたデータも含めて研究を進めて口頭発表・論文・報告書の執筆・公開を予定している。

次年度使用額が生じた理由

コロナウィルス感染拡大の影響により、古書の収集機会が大幅に失われたため、当該助成金が生じた。また、調査の予定にも遅れが生じたため、備品の購入なども先送りとなっていた。翌年度分として請求した助成金と合わせ、古書の収集をインターネットでも行い、また、撮影機材・管理用機材の購入に充てたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 現代日本語文学作品に見られる引用辞トテの用法2020

    • 著者名/発表者名
      髙谷由貴
    • 雑誌名

      東亜大学紀要 30 巻

      巻: 30 ページ: 15-25

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 中世・近世期資料における極限の副助詞の比較2021

    • 著者名/発表者名
      髙谷 由貴
    • 学会等名
      土曜ことばの会
  • [図書] 「昭和期作文資料の収集報告-昭和期の小学生・中学生による学習帳および投稿雑誌について-」2021

    • 著者名/発表者名
      髙谷 由貴
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      東亜大学
  • [備考] researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/takaya

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi