研究課題/領域番号 |
20K13063
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研究機関 | 呉工業高等専門学校 |
研究代表者 |
周 躍 呉工業高等専門学校, 人文社会系分野, 助教 (80848549)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 多用途検索ツール |
研究実績の概要 |
本研究の目的はチョーサーの単語を調べる際に迅速、かつ客観的に単語の包括的な情報を提供することである。単語の定義は勿論だが、それが置かれる文脈の原典や韻律、訳などの外的情報および話者、話す手などの内的要素に関する情報も同時に提供していく。この目的を実現するために、昨年度は立ち上げたウェブサイトのコンテンツを増やしつつ、機能を充実させた。コロナウイルスの影響で、コンテンツの入力に遅れがあるものの、『トロイルスとクリセイデ』のgから始まる形容詞の作業がすでに終わっており、収録した形容詞の数は一千語を超え、入力したトータルの単語数が50万以上となった。また、利用者の利便性を向上させるほか、より高度な研究にも対応できるようにするため、新たな検索機能を付け加えた。新たな機能では、語源、話者、話す相手、並列する形容詞、原典、修飾する名詞などの項目で検索することや、それらの項目を二つ以上でフィルタリングする(例:話者AさんがBさんに対して使ったOld English語源の形容詞を検索する)ことも可能になった。この新機能は、話者が相手別に使用する形容詞の特徴や、特定の形容詞の使われ方などの分析に大きく貢献できると思われる。 そのほかに、筆者は書籍、論文を広く読み、学会に積極的に参加し、同分野の専門家と意見交換をしていた。2021年8月8日には広島英語研究会の第61回夏季研究大会で口頭発表をし、本研究の発信を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は扱うデータベースが膨大で、計画当初から学生アルバイトを複数名雇う予定をしていたが、コロナウイルスの影響で、休校(遠隔授業)期間が長く、登校が再開した後でも、感染対策を取るため、同時に作業できる人数が2名に限られていた。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度同様に、今年度もウェブサイトのコンテンツを増やしつつ、さらに機能を充実させていきたい。また、論文や学会発表など、これまで以上に本研究を発信していく。さらに、昨年以上に学生アルバイトを雇い、申請当初に予定していた『トロイルスとクリセイデ』の全形容詞の入力および『カンタベリー物語』の一部の入力作業を終えるという目標に近づけていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの影響で、移動が制限されているため、当初計画していた旅費の支出がゼロだった。また、同じくコロナウイルスの影響で、学生アルバイトの実際の勤務時間数が当初予定していた額をはるかに下回ったため、残額が生じた。今年度以降は感染状況の改善が見込まれるので、学生アルバイトを増やし、今までの遅れを取り戻し、できていなかった活動を積極的にやっていきたい。
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