研究課題/領域番号 |
20K13063
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研究機関 | 呉工業高等専門学校 |
研究代表者 |
周 躍 呉工業高等専門学校, 人文社会系分野, 助教 (80848549)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 多用途検索ツール / lexicon / チョーサー / 形容詞 / 韻律分析 |
研究実績の概要 |
本研究の主な目的はチョーサーの単語を調べる際に迅速に、且つ客観的に単語の包括的な情報を提供し、チョーサーの言語や作品の魅力を伝え、特に日本国内において、より多くの人々にチョーサー研究への道案内をすることである。その目的を達成するために、本研究はすべてのユーザーが無料でアクセスできる検索ツール(以下「本ツール」と言う)「A Chaucer Lexicon」を構築している。 今年度はより多くの方々に本ツールについて知ってもらうために、主に口頭発表に力を入れてきた。まずは2022年8月8日に開催された「広島英語研究会」の第62回の夏季研究大会と10月22日の「日本英文学会中国四国支部」の第74回大会に、それぞれ違う用例を用いて本ツールの基本的な検索方法およびカスタマイズ検索の操作について紹介した。特にカスタマイズ検索では形容詞に数種類のフィルターをかけ、ユーザーが求める形容詞をピンポイントで抽出することができる。この二つの学会では、本ツールの利便性、詩人の形容詞の研究における革新的な点および今後の展望についても詳しく紹介した。そのほかに、12月4日に開催された「日本中世英語英文学会」の第38回全国大会では、実際に本ツールを用いて、チョーサー作品の登場人物であるトロイルスおよびクリセイデを修飾する形容詞を抽出し、「恋の病」の分析を試みた。 この三回の学会発表を通じて、本ツールの発信は勿論、ユーザーの観点から様々な意見を頂くこともできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
課題がスタートした2020年4月より、新型コロナウイルス感染症の影響が続いており、計画していた学生アルバイトの雇用などが確保できなかったため、進捗が遅れている。また、ウェブサイトの構築など当初の計画よりも複雑な作業をしていることも進捗の遅れの一因である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はウェブサイトの入力作業を加速すると同時に、学会発表および論文等で本ツールの発信を続けていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
①ほとんどの学会が遠隔開催となり、旅費の支出がなかったため。 ②新型コロナウイルス感染症の影響で、学生アルバイトに対する支出が計画より少ないため。
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