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2023 年度 実施状況報告書

情報導入構文に関する歴史語用論的研究:機能―形式のマッピング構築に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 20K13067
研究機関名古屋外国語大学

研究代表者

高橋 佑宜  名古屋外国語大学, 外国語学部, 講師 (90844283)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード英語史 / 通時語用論 / 情報導入構文 / コーパス
研究実績の概要

2023年度は、英語史上の情報導入構文を広く見渡すことを目指して、主に次の3点について論文の出版と研究発表を行った。

(1) 古英語散文の談話における言語表現の定型性について考察した論文を2023年7月に出版した。多数の聖人の殉教エピソードが収録されている『古英語殉教者録』(Old English Martyrology)を調査の対象として、節レベルを超えた談話における定型性の存在について論じた。各殉教エピソードにおいて語られる内容とそこで用いられる言語形式・表現には慣習的な結びつきがあり、定型化していることを明らかにした。
(2) 継続して行っている中英語から初期近代英語にかけてのas for NP構文とas to NP構文の発達に関する研究内容を論文 “On the Development of as for NP and as to NP Constructions from Middle English to Early Modern English” としてまとめた。この論文をLinguistic and Stylistic Approaches to Speech, Thought and Writing in English [MEA Studies in English Philology and Linguistics 1]に投稿し、原稿受理済みの状態である。
(3) 現代英語においては主題を限定する機能を持つas(so) far as構文と関連表現のas(so) long as構文の17世紀における通時的変化と社会言語学的な変異に関する調査報告を国際会議The 22nd International Conference on English Historical Linguistics(2023年7月5日、於シェフィールド大学)にて行った。17世紀の5世代にわたる50人の作家の作品を含む大規模コーパスEarly Modern Multiloquent Authors(EMMA)を用いて量的な調査を行った。当該表現のasとsoの交替について、世代を超えてasはsoよりも一般的であることが示唆された。著者間では、as/so far asとas/so long asの使用率には中程度の正の相関が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度に計画していた内容の多くを実施することができたものの、研究代表者のその他の業務の多忙により補助事業期間の延長を申請せざるを得なかった。

今後の研究の推進方策

2024年度は、英語史上における情報導入構文の成立と定着の過程をas for NPなどの特定構文に注目して調査を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究代表者のその他の業務の多忙により補助事業期間の延長を申請せざるを得なかったため、次年度使用額が生じた。本来実施を予定していた内容に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Change and variation of as/so far as and as/so long as in 17th century English2023

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Yuki
    • 学会等名
      The 22nd International Conference on English Historical Linguistics
    • 国際学会
  • [図書] 英語史における定型表現と定型性2023

    • 著者名/発表者名
      渡辺拓人・柴﨑礼士郎(編)高橋佑宜他(執筆)
    • 総ページ数
      212
    • 出版者
      開拓社
    • ISBN
      9784758923903

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公開日: 2024-12-25  

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