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2023 年度 実施状況報告書

継承語学習者の混淆的アイデンティティ構築を支える教師育成のための研修モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K13073
研究機関茨城大学

研究代表者

瀬尾 悠希子  茨城大学, 全学教育機構, 助教 (40820676)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード継承語教育 / 補習授業校 / 教師教育 / ライフストーリー / ナラティブ / リソース / 語り合い
研究実績の概要

本研究の目的は、継承日本語学習者の混淆的アイデンティティ構築を支えられる教師を育成するための研修モデルを開発することである。2023年度は主に2022年度までに得られたデータの分析と考察を進めた。
まず、研修に参加した教師にどのような変容が生じたかを検討した。具体的には「教師の傷つきやすさ」の概念を援用して教師の感情経験の変化を分析した。その結果、特に1名の補習校教師が「防御的/非効果的傷つきやすさ」を経験していたが、研修の場で自分を肯定し受け入れてくれる他の参加者と感情や教育実践、および背後にある価値観をめぐる対話を行い自身の感情や教師としての在り方への内省を深めたことを通して、「開放的/自発的傷つきやすさ」へと変容していったことが明らかになった。この知見を国際会議にて発表した。さらに考察を深めて論文を投稿し、採択された。
また、ライフストーリーと読み手との関係についての考察を進め、その成果の一部を研究会で報告した。また、論文の一部としてまとめることができた。
残りの参加者についての分析も進め、研修全体の包括的評価を目指している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は研修参加者の変容およびライフストーリーが読者に与える影響について論考にまとめることができた。しかし、研修全体の包括的な評価には至らず、さらなる分析・考察が必要である。

今後の研究の推進方策

他の研修参加者の変容についても分析を進め、研修全体の包括的な評価とモデル化を目指す。また、学習者のライフストーリーを読むということにも焦点を当て、教師研修において学習者のストーリーを読むことの意義と課題も明らかにしたい。

次年度使用額が生じた理由

データの分析・考察が計画より遅れたため、学会などでの成果報告が計画よりも少なくなった。次年度は主に分析・考察を進めるための書籍購入と学会などでの成果報告のための旅費に繰り越した予算を充当する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 日本語教育におけるライフストーリー研究の展開と今後の展望―ライフストーリー研究は日本語教育に何をもたらすことができるか―2024

    • 著者名/発表者名
      瀬尾悠希子
    • 雑誌名

      日本語教育

      巻: 187 ページ: 20-32

  • [雑誌論文] 転換期の補習授業校で働く教師の傷つきやすさの変容:語りあいの場に参加した教師の語りから2024

    • 著者名/発表者名
      瀬尾悠希子
    • 雑誌名

      母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)研究

      巻: 20 ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] 「海外子女教育研究」をひらく:多領域との接続可能性2024

    • 著者名/発表者名
      渋谷真樹 , 瀬尾悠希子 , 高橋薫 , 芝野淳一 , 澁谷優子 , 山田亜紀 , 小林聡子 , 岡村郁子
    • 学会等名
      異文化間教育学会第45回大会
  • [学会発表] 変革期の補習授業校において教師はどのような職業的傷つきやすさを経験しているか:語り合いの場に参加した教師の事例2023

    • 著者名/発表者名
      瀬尾悠希子
    • 学会等名
      豪州日本研究学会研究大会 /国際繋生語大会
    • 国際学会
  • [学会発表] 海外子女教育における継承語教育の可能性と課題:子どもと教師の物語から考える2023

    • 著者名/発表者名
      瀬尾悠希子
    • 学会等名
      第86回グローバル化社会の教育研究会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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