研究課題/領域番号 |
20K13075
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
半沢 千絵美 横浜国立大学, 国際戦略推進機構, 准教授 (10734139)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 社会ネットワーク分析 / 日本語習得 / 留学生 / SNA |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本の大学に留学している異なる立場の留学生(学部留学生・大学院留学生・交換留学生)の「社会ネットワーク」「言語使用状況」「日本語能力」を分析し、留学中の他者との関わりと言語使用状況が言語習得プロセスにどのように影響するかを考察することである。社会ネットワーク分析(Social Network Analysis)を用いることで、留学生の人間関係を図式化し、その変化を可視化することが可能となる。その社会ネットワークデータの収集とともに、留学生が日常生活でだれとどの言語を用いているのかを記録し、言語インプットや他者との意味交渉で使われる言語の質と量を分析する。さらには、留学開始時、途中、終了時の日本語能力の測定を実施し、日本語能力の変化も分析対象とする。長期的にデータを集めることでこれまでは見えてこなかった社会ネットワークと言語習得の関連性を導き出すのが狙いである。
2023年度は、2021年度から本調査に参加している留学生の追加データの収集を行ったのと、2022年度に調査に参加した留学生のフォローアップアンケートを実施した。また、2022年度に引き続き交換留学プログラムに在籍する留学生のデータを収集することができた。データ分析の途中経過の報告としては、米国ポートランドで開催されたInternational Network for Social Network Analysis主催のSunbelt2023(2023年6月)と、日本語教育方法研究会(2023年9月)にてポスター発表を行なった。また、在日外国人留学生を対象としたネットワーク関連の先行研究を論文としてまとめた。
さらには、2022年度に引き続き社会ネットワーク分析に関する勉強会を開催、関連分野に興味のある研究者を招いて意見交換を行い、本研究にもコメントをもらうことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
留学生の入国状況の影響があり、全体的にデータ収集が遅れていた影響が大きい。データ分析の進捗に関しては当初の予定よりも若干遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、これまで収集したデータの分析、執筆作業を行う。学会等で成果の共有を行うとともに、社会ネットワーク分析に関する勉強会も引き続き開催予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じたのは、前年度に海外学会への参加がなかったことから繰越が生じたためである。 2024年度の予算については、主に研究成果の発表のための旅費に使用する。
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