研究課題/領域番号 |
20K13077
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
末繁 美和 岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 准教授 (60638998)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | タンデム学習 / 日本語教員養成 / デザイン実験 / 日本語教育実習 / 資質・技能 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、実践力を身につけた日本語教育人材育成を目標とした日本語学習者とのタンデム学習を取り入れた教員養成プログラムを構築することである。 具体的には、(1) 日本語教育人材に求められる資質・技能の習得モデルの構築、(2)(1)の資質・技能習得のためのタンデム学習のデザイン構築、(3)タンデム学習の実践・効果測定・デザインの再構築、を行う。 2021年度については、実態把握のために実施した2020年度のオンラインでの日本語教育実習の実践に関して、論文にまとめ発表した。2020年度の教育実習における実習生の振り返りレポートの分析を通して、次の5つの点に関する気づき・学びが観察された。気づき・学びが観察されたのは、(1)授業・教材作りに関する技術、(2)状況・相手に応じたやり取りの技術、(3)学習者の視点・背景の理解、(4)言語教育者としての態度、(5)精神面のセルフコントロールの5つのカテゴリーであり、「日本語教師【養成】に求められる資質・能力」(文化庁文化審議会国語分科会,2020)で示されている資質・能力とも重なる部分があった。一方で、同様のカテゴリーにおいて、課題ならびに問題点が観察されたため、それらを踏まえ、再度、授業見学、模擬授業、教壇実習、振り返り等を含むオンラインの教育実習を組み立て直し、実態把握およびモデル構築のための実践を行った。実践において収集した教壇実習のビデオの文字起こし・リフレクション・アンケート調査のデータ分析を行い、タンデム学習で重点的に養成する資質・技能について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響で、当初対面により実施予定だった教育実習をオンラインに変更して実施することになり、分析対象である「学習者の学ぶ力を促進するスキル」 および「学習者に対する態度」に関して、授業のオンライン化が及ぼす影響を考慮して、分析し直す必要性が出てきた。また、COVID-19の影響により、調査参加者の留学生や実践の場の確保の問題が発生し、予定より調査が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度および2021年度の教育実習の実践におけるデータ分析の結果、実習生が問題や課題を感じていた(1)授業・教材作りに関する技術、(2)状況・相手に応じたやり取りの技術、(3)学習者の視点・背景の理解、(4)言語教育者としての態度、(5)精神面のセルフコントロールの5つのカテゴリーに関し、文化庁の「日本語教師【養成】に求められる資質・能力」との対応関係についても考慮し、調査対象とする資質・技能に関するリストを作成し直す。その上で、タンデム学習で効果的に養成できる資質・技能とそうでないものについて、文献研究の結果を踏まえ、仮説を立て、タンデム学習の実践を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により、参加予定の学会等が全てオンラインになり、旅費等の支出がなかったため。また、COVID-19の影響を受け、対面での調査が実施できなくなり、それに伴う物品購入費用、研究補助の人件費、旅費等の支出がなかったため。
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