研究課題/領域番号 |
20K13080
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
黄 美蘭 帝京平成大学, 人文社会学部, 助教 (30747126)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 留学経験 / 中国人元留学生社員 / 中国の職場 / 現在の職務に与える影響 / 大学で学んだ知識・スキル |
研究実績の概要 |
2022年度は、日本で大学や大学院を卒業・修了し、現在、中国で企業等に勤めている中国人元留学生社員7名を対象に、半構造化インタビューを実施したデータを分析し、学会発表や学術雑誌に投稿した。中国への渡航が難しかっため、インタビューはZOOMやWECHATなどを利用し、オンラインで実施した。インタビューデータは文字化し、KJ法を援用して分類し、図解化した。 質的分析の結果、中国で企業等に勤めている中国人元留学生社員が現在の職務に影響を与えていると捉えている、大学で学んだ知識やスキルが32件得られた。詳しくは、「日本人の仕事態度」8 件、「言語」6 件、「日本人への理解」5 件、「日本文化への理解」4 件、「自己成長」4 件、「専門知識」3 件、「ネットワーク」2 件がある。つまり、中国人元留学生社員は、特に、大学で日本人の指導教員や日本人学生との交流を通して理解し学んだ日本人の真面目できめ細かく、忍耐強い仕事態度が現在の仕事に影響を与えていると捉えており、現在の自分自身の仕事についても同様の態度で接しており、周りの同僚からも評判が良いことを語ってくれた。また、日本人の考え方や日本人のやり方についてある程度理解しているため、現在の職場で日本人との接触や交流がスムーズで、仕事にもいい影響を与えていると捉えていることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
以下の理由により、当該研究は「やや遅れている」と考えている。 1)2022年度に実施する予定だった質問紙調査が新型コロナによる影響により実施できなかったこと 2)質問紙調査の実施が遅れたことにより、分析や発表、論文の執筆を2023年度に計画していること
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今後の研究の推進方策 |
1)日本と中国で勤務している中国人元留学生社員を対象に、質問紙調査を実施する 2)質問紙調査のデータを分析し、関連する学会で発表を行う 3)調査の結果を論文化し、関連する学術誌に投稿する
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は質問紙調査や学会発表、論文の執筆などに経費を使用する予定である。具体的には、次のような項目で経費を使用する予定である。 1)質問紙調査のための経費(旅費及び質問紙の郵送代など)、2)質問紙の印刷のための物品費、3)質問紙のデータの入力のための人件費、4)質問紙のデータ分析のためのソフトの購入、5)質問紙データの分析に適したスペックを持っているノートPCの購入、6)学会発表の旅費、交通費など
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