研究課題/領域番号 |
20K13093
|
研究機関 | 名古屋商科大学 |
研究代表者 |
磯野 英治 名古屋商科大学, 国際学部, 教授 (50720083)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 言語景観と日本語教育 / 初級ビデオ教材 / 外国人定住者 / 社会文化的理解 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、(1)研究代表者が先駆的に取り組んでいる「言語景観を活用した内容重視の日本語教育」を体系的に発展させ、新たに初級日本語学習者用の教材を開発し、(2)開発したこれらのコンテンツを誰にでも活用可能な形で公開して、日本語教育界における新しい幅を提供するとともに、日本国内の外国人定住者、国内外の日本語学習者の教育・学習支援に役立てることである。これに関連して2021年度は、以下がその研究実績となる。 <言語景観を活用した初級日本語教育教材開発のための基礎的調査の論文公開> 国際学会で発表した「言語景観を活用した初級日本語教育教材開発のためのアプローチと基礎的調査」を加筆・修正し、論文化した。当該論文は、既に公開しているビデオ教材『言語景観で学ぶ日本語』(https://www.youtube.com/watch?v=qB0-eSC_yUQ)において、初級教材として改編できるテーマを選定した。その上でフィールドワークを行い、新たに初級教材、とりわけ日本語能力の高くない外国人定住者向けの教材のテーマとなり得るデータを収集し、その分類を併せて行った内容である。 <上記の拡大調査と理論的枠組みの発信> 教材開発に先立って引き続き行っている拡大調査と、それらをまとめた理論的枠組みを国際学会において「多文化社会への支援に資する言語景観を活用した初級日本語教育教材開発のための拡大調査と理論的枠組み」というテーマで発表した。発表では当該研究の発信に努めるとともに、国内外の関係者と教材制作に向けた意見交換を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【研究実績の概要】に示したように、今年度から次年度にかけて計画しているビデオ教材制作に向けた準備である「既存のビデオ教材の再検討」と「関連する言語景観データの収集」という二本の柱について、学会発表とその論文化が完了しているため。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進方策は、以下のとおりである。 1.引き続き、言語景観データの収集を行う。 2.ビデオ教材の制作に向けたコンテンツの基本的な設計を行う。 3.設計したビデオ教材のコンテンツについて、さらに妥当性および効果を検証するため、学会発表を中心に行い、内容を深める。 4.ビデオ教材を制作し、公開する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
言語景観データの収集がウィルス感染症の影響でできなかった部分があり、旅費の使用がなく、次年度に繰り越すこととなった。また、ビデオ教材の制作を着実に行うために、緩やかな工程に組み直したため、そのための諸費用も次年度以降に使用する予定である。また、次年度はコロナの状況を見ながら、データ収集を再開する予定であり、これまでの繰越金を主に旅費に使用する予定である。
|