研究課題/領域番号 |
20K13114
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
中條 純子 東京都市大学, 共通教育部, 准教授 (10640295)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 教材開発 / 発音 / 音声認識 / 情意面 |
研究実績の概要 |
本研究のテーマはインストラクショナルデザイン第2次サイクルによる教材開発である。この数年間COVID-19の影響で実践的な研究活動が制限されてきた。しかし、次第に状況は改善し、開発教材を完全対面の授業で部分的ながら導入試行できる状況になってきた。すなわち、目標としてきた大学の教室内インストラクションに重きを置く教材開発が可能となってきた。今回試行した教材は、COVID-19への対応で必要に迫られて開発したオンデマンド用教材の改訂版である。この間、学生が開発教材に取り組む様子を参与観察でき、本教材の特徴をより明確に把握できた。同時に、学生たちが学習をより円滑に進めるための改善点が明確になった。学生の動態を参与観察により確認できたことは研究を進める上で大きく役立った。対面授業での参与観察により改訂版教材の教授効果が確認できた。教授効果のポイントは、第1次サイクルの教材開発時に課題であった「授業における開発教材の有効性検証時における<教員要素>と<教材要素>の分離」から得た知見である。対面授業前にオンデマンド教材での有効性を検証したため「教材要素」を独立して検証することができた。これまでの試行を踏まえて、教材の有効性に関する分析と改訂を進めた。そして、学習者と教授者の両視点で教材の利便性と有効性を評価した。この評価には外国語教育の専門家にも加わっていただき、その評価は教材の改定第5版に反映させることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過年度までにCOVID-19の影響を受けていた、英語発音開発教材の対面での授業への導入が進んでいる。加えて、海外渡航についての制限もなくなり、評価のための現地調査も今後進めることができることより、順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の影響が収束してきたことで、以下の3点に注力し計画を進める。1.収集データの分析、2.教材改定、3.改訂教材の授業への導入である。 現在、第5版を授業で導入している。教材全体としての有効性を以下の4点において総括的評価を行い検証する。 開発教材の導入により、1.学習者の知識の獲得にどのような変容が認められるか。2.学習者の技術面の向上にどのような変容が認められるか。3.学習者の情意面の向上にどのような変容が認められるか。特に、英語の発音、英語、英語学習、口頭コミュニケーション領域における価値・関心・態度での向上的変容は認められるか。更に、4.開発教材1・2の導入により、学習者は音声認識機能を用いたモニター活動を、学習効果や利便性をどのように自己評価するか、が検証課題である。 最終の総括的評価は、アンケート調査に加え、開発教材の教材内の1つの活動として組み込まれている動画撮影における学習者の音声動画記録も用いて検証をする。複数国の英語の英語母語話者と英語日母語話者による学習者の英語発音の評価を行い、通用性を調査する。調査に使用するのは、教材導入前と後の2回において録画された学生の発音動画である。検証対象音素について事前、事後のパフォーマンスの比較評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響による、調査のための海外渡航と発表を次年度に見送ったため。
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