研究課題/領域番号 |
20K13118
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
加藤 由崇 中部大学, 人間力創成総合教育センター, 講師 (80762666)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 探究的実践 / 実践者研究 / 授業 / 外国語教育 |
研究実績の概要 |
2021年度は、本研究の目的である外国語教育における「探究的実践」に基づく実践者研究モデルの構築に向けて、以下の3点の研究を行った。 (1)昨年度に引き続き、国内外の関連研究とハンナ・アーレントらの哲学的な枠組みを参照しながら、探究的実践の中心的な概念である「問い」(puzzle)についての理論的・実践的な考察を進めた。研究成果の一部は、8月にオンラインで開催されたThe AILA World Congress 2021等で発表した。 (2)特に「問い」の形式に着目しながら、大学の英語授業における探究的実践を継続的に積み重ねた。具体的には、why, how, whatの問い、I, we等を主語とする問いに対する学習者の取り組みを比較・検討しながら、「真に包括的な実践者研究」(Fully Inclusive Practitioner Research)の理念を具現化するための問いの在り方について考察を進めた。また、これらの研究成果の公表に向けて、複数の論文を執筆・投稿した。 (3)昨年度に引き続き、実践者研究に関するネットワークの構築に努めた。探究的実践の先進的な事例を蓄積するためのウェブサイト(https://www.fullyinclusivepr.com/)および世界の13の国や地域から約50名の研究者・実践者が参加するメーリングリストを継続的に更新・活用している。なお、2022年からは国際応用言語学会(AILA)が支援する研究ネットワークの一つであるFully Inclusive Practitioner Researchの共同責任者を務めている。責任者間でのオンライン会議を定期的に開き、研究ネットワーク参加者らのための議論の場の創出を模索している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度に予定していた研究は、おおむね計画通りに進めることができた。ただし、新型コロナウイルスの影響によって、当初予定していたブラジルでの探究的実践集会(EP Event)への参加は見合わせた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、過年度の研究成果をもとに、探究的実践に基づく具体的な実践者研究モデルを示し、それを幅広く公開する。研究ネットワークを活かした国内外の研究者らとの議論を継続させながら、学会や学会誌(国際誌を含む)において研究成果を公表し、また外国語を指導する教師を対象としたワークショップを実施することで、提案したモデルに関する批判的な考察を仰ぐ。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により、2021年度に参加を予定していた国内外の学会・研究会が延期またはオンラインでの開催となり、旅費を繰り越すことになったため。
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