研究課題/領域番号 |
20K13140
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
斎藤 隆枝 国際医療福祉大学, 総合教育センター, 助教 (20827802)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | EMI / 英語で学ぶ / 医療福祉系大学 / 実施状況調査 |
研究実績の概要 |
本研究は一般教育科目や専門科目を英語で学ぶ、いわゆるEMI(English as a Medium of Instruction)の実施報告が比較的少ない医療福祉系大学を対象として、EMI実施状況を調査し、医療福祉系大学ならではのEMI実施にかかる利点及び実施を妨げる要因を明らかにすることで今後の更なるEMIの効果的な導入実施につなげることを目的としている。 2020年度はまず2020年秋の全国看護英語教育学会の学会誌で「科研プロジェクト紹介」という形で本調査の紹介・周知に努めた。その後、2021年2月に看護系学科を設置する延べ287校大学宛てにEMI実施状況調査協力依頼書を送付し、Google formを用いたオンライン調査を実施した。同月末で回答数が60件ほどであったことから、3月上旬に調査未回答校宛て再度調査依頼書を発送した。また全国看護英語教育学会のご厚意により、学会のニュースレター上でも回答協力の呼びかけを行った結果、2021年3月末でのべ91校(回収率31%)からご協力いただけたことから回答を締め切った。集計したデータを2021年度に分析予定であり、その準備を進めている。 また、医療系大学学生が海外研修参加を躊躇う理由には経済的負担の次に「英語で話すことに対する不安」や「専門科目の学習に対するネガティブな影響」などがあることを明らかにした論文を発表した。さらに医療福祉系大学におけるEMI実施の必要性について関東規模の学会にて「医療福祉系大学におけるEMI実施実践報告」を、全国規模の学会にて「中、高、大学と連携するEMI、CLIL実践の課題」を口頭発表し、関連分野の研究者たちと情報共有を進めた。また共著書「海外研修×ディープアクティブラーニング」でも情報発信をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では初年度で調査を実施しデータ収集、次年度で分析及び論文発表を予定していたが概ね予定通りに研究が進展している。 加えて初年度から医療福祉系大学におけるEMI実践の必要性や自身の取り組みについて学会での口頭発表や論文及び著書にて積極的に情報発信をできたことは成果であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は7月を目安にデータを集計及び分析を終え、その結果を9月末までに論文にて発表を目指す。同時に引き続き自身で実施しているEMI実践報告と合わせて今回の調査で明らかになった課題と対応策などについて学会発表など場で他の研究者たちと情報共有を予定している。また、調査結果の開示を希望した大学・研究者宛てに情報共有を予定している。 さらに本調査の結果を踏まえて、医療系大学において今後EMIを導入実践していくための教育体系づくりやEMIの効果検証などについて今後必要となる研究の方針を具体化していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19感染拡大により学会がすべてオンライン開催になったことから2020年度は旅費の支出が発生しなかった。2021年度の学会発表についてはできる限りオンライン参加を優先させるが、現時点で「開催形態は未定」となっている学会については旅費の支出を備えておく。 また2020年度は感染対策徹底のために研究補助者の出勤時間も減らさざるを得なかった。2021年度は研究室の環境も整ったことから安全に十分に配慮しつつ積極的に研究補助の協力を仰ぐ予定である。
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