研究課題/領域番号 |
20K13142
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
今井 純子 順天堂大学, 国際教養学部, 准教授 (00458506)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 第二言語ライティング / 個別支援 / ライティングカンファレンス / 追跡調査 / 学習者の視点 |
研究実績の概要 |
本研究は、ライティングカンファレンスやマンツーマン指導などの英語個別支援を一定期間経験した学習者に、そこでの経験がその後どう影響したか聞き取り調査を経年的に行い、学習者の視点から、個別学習支援の役割と効果を探求し、大学でのアカデミックライティング指導に役立てることを狙いとしている。3年目にあたる2022年度前半も、コロナ禍が続き、過去に収集したデータの再分析、オンラインでの協力者へのコンタクト、文献調査が主となり、経過報告を、9月にオンラインで行われた国際学会(Pragmatics & Language Learning)で発表した。後半は、限定的ではあるが、海外渡航が少しずつ可能となり、勤務先においても、フィリピンでのマンツーマン方式の語学留学を小規模ながら再開できたため、参加者に帯同し、学習の様子を観察し、少人数ではあったがフォローアップ調査を行った。また、2023年3月に行われたアメリカ応用言語学会でも、渡航できなかった期間に関係者に連絡をとりながら進めた分析結果を発表した。続いて、アメリカ応用言語学会と同開催地で行われたTESOL国際学会に参加し、第二言語ライティング分科会に出席した他、大学ライティングセンターの立ち上げや運営に関するワークショップに参加し、興味関心を同じくする参加者と研究交流を行った。また、2月に別途ハワイ、ボストンを訪れる機会を得たため、ハワイ大学、マサチューセッツ大学、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学にてライティング教育及びライティングセンター運営に関わる研究者と面談や見学を通して、ライティング個別支援の多様性についても探ることになり、今後の研究発展の可能性などを視野に入れ、比較報告等の準備を進めている。国内学会(大学英語教育学会、全国語学教育学会)においても、本研究の研究文脈でのライティング指導の導入についてなども含め発表を行なった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度前半は、継続するコロナ禍の中でオンライン学会での研究発表を行った。9月からは限定的な海外渡航が再開し、2月3月には対面での国際学会への参加も可能となったため、当初予定していた研究を開始または調整するための打ち合わせを目的とした研究交流、現地視察を行ったが、遅れを完全に取り戻したとは言えないため。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年となる2023年度は、当初から予定しておりコロナのため中断していたライティングカンファレンス経験者の対面での追跡調査とマンツーマン語学留学参加者のフォローアップ聞き取り調査を実施する。期間内に成果があげられるように、規模の縮小も考慮しながら、学会での研究発表や論文発表の準備を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2022年度前半もコロナによる渡航制限等のため研究活動が制限された状況が続いたため、支出が最小限となったが、後半の渡航再開、研究発表、打ち合わせ等を通じて、次年度に本研究のメインとなるデータ収集・分析を行う目処がついたため、2023年度に研究期間を延長し、予算を繰り越すこととした。
|