万歳唱和という現代でもなじみのある所作を長期スパンで考察し、その推移を国内外において専門の地域・時代を異にする歴史学研究者に向けて成果を公表した。その結果、各時代における多様な受容のありようが見えてきた。比較研究を促進するケーススタディとして一つの参照例を付け加えることができた点に学術的意義があると言えよう。また、万歳唱和というなじみのある所作がどのような場面で繰り返し行われてきたか、その具体的様相をあえて問いに付すことは、我々の社会で「伝統」とみられる所作を問い直すことにもつながる点で社会的意義があると言えよう。
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