本研究は近代を迎えた朝鮮において、「婦人」がどのようなプロセスで形成されたのかについて、中等教育に焦点をあて研究するものである。本研究の成果としては二点挙げられる、第一に、近代「婦人」を育成する場である中等教育機関の教育関係者に関する経歴、動向を明らかにしたことである。特に奈良女子高等師範学校で学び、母校に戻った朝鮮人女性教員の存在は「婦人」形成に必要だったことが資料から確認できた。第二に、2018年に韓国で公開された学籍簿資料を収集し、その分析を行ったことである。学籍簿資料から女子生徒のの家庭環境、成績や求められる人物像など未来の「婦人」のバックグランドが明らかになった。
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