「大東亜共栄圏」の文化史的研究

2020 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 20K13164
• 研究機関: 二松學舍大學
• 研究代表者: 林 英一 二松學舍大學, 文学部, 講師 (20724206)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: 大東亜共栄圏 / 東アジア / 東南アジア / 社会史 / 文化史

研究実績の概要

今年度の研究成果は、「大東亜共栄圏」文化に関する文献資料の収集と閲覧であり、つぎの３点に要約することができる。第一に、所属機関の異動にともなって、研究を遂行する上で必要な資料を関西から関東に移動し、整理した。その過程で先行研究を見直し、手つかずのままになっていた資料があることに気づくことができた。第二に、日本近現代社会史・文化史に関する文献を幅広く収集して読み込んだ。とくにこれまであまり馴染みのなかった文化人の伝記や作品に触れることができたことは収穫であった。第三に、靖国偕行文庫、昭和館図書室、国立国会図書館に赴き、「戦記もの」を閲覧した。そのなかで本研究の遂行に役立ちそうな箇所を書き取り、複写することができた。それらの基礎的作業を通じて国内における「大東亜共栄圏」文化に関する資料の所在と特徴をある程度、把握することができた。その上で、海外の資料の入手に着手した。こちらについてはコロナ禍で現地調査を行うことが難しかったため、インドネシアの知人に情報を照会して調べた。その結果、現地で出版された書籍を購入することができた。以上のような資料調査の過程で、「大東亜共栄圏」に関する映像資料が一定数存在することが明らかとなった。それらは「大東亜共栄圏」をめぐる日本側とアジア側双方の認識を分析しようとする本研究課題の目的を遂行する上で有意義なものであると考えられるため、次年度以降に視聴し、活用していきたい。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

所属機関の変更、コロナ禍による図書館等施設の利用制限、オンライン授業の準備などが重なり、研究に割ける時間が想定より少なかった。

今後の研究の推進方策

文献資料の収集・閲覧を継続するとともに、映像資料を積極的に活用することで、コロナ禍で現地調査がままならない部分を補う。

次年度使用額が生じた理由

本年度はコロナ禍で旅費の支出が難しかったので、次年度の物品費、旅費、謝金として使用したい。