研究課題/領域番号 |
20K13172
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡本 真 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (50634036)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 日本史 / 交流史 / 外交文書 / 史料学 / 古文書学 / 書誌学 / 中世 / 近世 |
研究実績の概要 |
今年度は、主としてふたつのテーマについて、研究を推進した。ひとつめは、永楽5年(1407)5月26日付足利義満宛明永楽帝勅諭の写本・版本の調査と検討である。同勅諭の原本は所在不明で、写本や模刻版本が複数伝来している。今年度には、前年度までに実施した調査によって得た情報を土台としつつ、ひきつづき他の研究課題と連携して追加の調査を実施し、それらによって得た知見を集約・整理し、成果を論文として公表した。これにより、室町幕府滅亡後の原本の伝来経緯や、現存する版本には2系統があること、版行の時期は18世紀末以前であること、版本では失われている原本由来の情報を有する写本があることなどを指摘した。また、中世後期に外交の現場でやりとしされた文書である同勅諭について、写本や版本が作成され、知識人層に広まり、そして今日まで伝来するに至った過程を解明することができた。 もうひとつは、瑞渓周鳳撰『善隣国宝記』の諸写本の校異情報の電子テキスト化である。これに関しては、2022年度に定めた方針にしたがい、TEI (Text Encoding Initiative)のガイドラインに則した、テキスト構造化の国際標準に準拠したXMLデータとして電子テキストを整える作業を、今年度も継続した。調査によって所在を明らかにし得た写本16点のうち、これまでに複製を入手した14点について、校異情報を序文および上巻の途中まで整備してきた。来年度中に上巻までの作業を完了する見込みである。 そのほか、本研究で得られた外交文書に関する知見を活用した学会報告を1件実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、2021年度から雇用している学術専門職員1名に加え、新たに人材を雇用して『善隣国宝記』の電子テキストに関する作業を加速する計画だったが、適任者が見つからなかったため、予定よりも遅れが生じた。そのため、上記の評価区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
進捗状況の遅れについては、本研究の研究期間の延長により対応することとした。また、本研究で作成してきた『善隣国宝記』諸写本の校異情報を埋め込んだ電子テキストは、研究代表者の所属する東京大学史料編纂所のウェブページで公開する予定だが、場合よっては、他の媒体へ変更することもあり得る。利用しやすい形での提供を最優先に、適切に判断することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、2021年度から雇用している学術専門職員1名に加え、新たに1名を雇用する計画だったが、適任者が見つからなかったため次年度使用額が生じた。これについては、2024年度における1名の継続雇用により対応し、同年度内に作業を完了させることを予定している。
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