研究課題/領域番号 |
20K13175
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
程 永超 東北大学, 東北アジア研究センター, 准教授 (80823103)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 情報収集 / 柳川一件 / 壬辰戦争 / 柳夢鼎 / 燕行録 / 通信使 / 筆談 / 倭情咨文 |
研究実績の概要 |
2021年度については、17-19世紀日本・朝鮮・中国三国間関係史研究の一環として、まずは、昨年度口頭発表した「近世前期の対馬藩と大陸情報収集」を論文化し、対馬藩が中国情報収集を開始する動機を解明し、対馬藩にとっての大陸情報収集活動の意義を明らかにした。そして、これまでの研究成果を整理し、単著『華夷変態の東アジア―近世日本・朝鮮・中国三国関係史の研究』を出版した。さらに、分担執筆「通信使の筆談と大陸情報収集」「朝鮮から明・清へ報告された柳川一件とその影響」「史料紹介 壬辰請援第一陣の記録――柳夢鼎の燕行録『壬辰赴京日記』を出版した。 また、オンライン会議を積極的に利用して、国内外に研究成果発信を行った。第7回東北大学若手アンサンブルワークショップ(5月20日、東北大)でポスター発表したほか、Aftermath of the East Asian war of 1592-1598 Research Seminar(7月7日、バルセロナ自治大学)、近代東亜的知識生成与変異青年学者工作坊第二期(7月24日、北京大学)、Nichibunken Overseas Symposium II (EAJS2021 next-generation workshop) Age of Monarchy/Monarchy for Age: Revisiting Monarchy from a Comparative Perspective(8月26日、ゲント大学)、16th International Conference of the European Association for Japanese Studies(8月27日、ゲント大学)、第十一回「訳官使・通信使とその周辺」研究会(9月4日、名大)、The 4th International Scientific Conference "Current Issues in the History, Foreign Relations and Culture of Asian Studies”(9月27日、ノヴォシビルスク大学)、山東論壇2021(10月10日、山東大学)、上廣歴史資料学研究部門研究報告会(12月20日、東北大)、「訳官使・通信使とその周辺」研究会(第8回サブグループ、12月27日、名大)などで口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症がまだ収まらないので、研究の推進に支障を来したことは否めないが、①これまでの研究成果のうち原稿化できていないものを整理して、それぞれ論文・単著・分担執筆の形で出版した、②海外に行って史料収集できなかったが、海外在住の研究者に依頼して必要な史料を入手できた、③長崎県対馬歴史研究センターをはじめ、国内史料所蔵機関の史料調査を実施したうえで、その成果を発表した。 以上により、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
①引き続き長崎県対馬歴史研究センターをはじめ、日本国内の史料所蔵機関を中心に史料調査とフィールドワークを実施する予定である。 ②可能であれば、何らかの形で韓国所蔵の関連史料の収集を実施する予定である。 ②これまで得られた成果のうちまだ原稿化ができていないものを整理して、学術雑誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度使用額はほぼ使い切ったが、わずかに残った分は来年度の物品費に使う予定である。
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