研究課題
若手研究
本研究では、18世紀初頭の江戸幕府-薩摩藩-琉球王府の三者の関係について、琉球使節の江戸上り、書翰の文言変化、銀の吹き替え、といった各テーマについてそれぞれ詳述した。その結果、薩摩藩が琉球支配の困難さを、誇張して幕府に強調することで、様々な特別待遇を受けるあり方が確立したという意味において、18世紀初頭が三者関係の画期であると結論づけた。
日本近世史
これまで、18世紀初頭の幕府-薩摩藩-琉球の三者関係については、幕府の政策が転換したことを重視し、幕府の主導性を強調する学説が有力であった。これに対し、本研究では薩摩藩のレトリックに注意し、薩摩藩が見せたかった三者関係を明瞭に打ち出した。これにより、薩摩藩の主導性をより重視した三者関係を構築するための足がかりを得ることができた。