研究課題/領域番号 |
20K13178
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
磐下 徹 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (30589479)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 水左記 / 源俊房 / 平安時代史研究 / 古記録 / 日記 |
研究実績の概要 |
2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大により、当初予定していた研究計画の変更を余儀なくされた。 本研究の基礎は、「水左記輪読会」の活動にもとづく『水左記』の詳細な註釈の作成である。そのため、年度内に10回程度の対面での輪読会実施を予定していた。しかし、上記の理由から対面での実施を見送り、Zoomなどを利用した双方向型の遠隔輪読会に切り替えた。 こうして本年度は合計12回の遠隔輪読会を実施し、『水左記』の註釈作成作業を進めた。主に康平7年分の記事の検討を進めたが、この部分は自筆本が残されており、写真等の画像による原本観察にも注力した。記事の内容の分析も含め、遠隔輪読会の限界を感じつつも、可能な限り詳細な註釈の作成を実現できた。その成果は大阪市立大学大学院文学研究科紀要『人文研究』第72巻(2021年3月)および『岐阜聖徳学園大学紀要』第60集(2021年2月)に掲載されている。その他、2020年度は、本研究に必要な研究書や史料集の購入など、研究環境の整備を進めることができた。これらは対面での輪読会の再開に際して大いに役立つものであり、また『水左記』註釈にもとづく平安時代史研究を進める際にも活用するものである。 2021年度以降も新型コロナウイルスの影響下での研究を余儀なくされるため、輪読会は遠隔開催を継続する予定である。ただし、状況を見ながらではあるが、『水左記』写本の調査など、実施を控えてきた研究活動も展開していきたいとい考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの感染拡大により、対面による「水左記輪読会」は実施できなかったものの、遠隔輪読会を開催して註釈作成作業を進めることができた。 2020年度は康平7年記を読み進め、康平7年4月~6月までの註釈を刊行することができた。これはおおむね当初の予定通りの進展であると認識している。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度も新型コロナウイルスの影響下での研究活動が継続されるため、遠隔輪読会の開催を継続する予定である。 ただし、状況を見ながら対面での輪読会の再開を期したい。2021年度中に自筆本の残っている康平7年の記事の註釈作成を完成させたいと考えている。 また、2020年度は控えてきた『水左記』写本調査なども実施したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大により、対面での「水左記輪読会」の実施ができなかった。そのため、輪読会参加者にかかる旅費の執行ができなかった。また予定していた『水左記』写本の調査旅費も執行できなかった。 2021年度以降、感染状況を踏まえつつ、対面での輪読会開催を期し、写本調査も実施したいと考えている。次年度使用額はそのために使用する予定である。
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