江戸時代後半から幕末において朝廷で権勢を振るった鷹司政通(鷹司家)を対象に、公家の金融活動がいかなるものであったのかを具体的に明らかにし、そこから当該期における公家社会の実態や、都市京都と公家の関係性、江戸幕府と天皇・朝廷との関係(=朝幕関係)などを考察した。 当該分野はとくに研究の蓄積が薄く、まずは関係史料の収集が必要であった。研究期間を通じて各種史料所蔵機関に赴き、史料調査を行った。 それらによって集まった史料(の複製)などをもとに検討を行い、鷹司政通(鷹司家)の権勢と金融活動との関係性や、金融活動の実務を担った都市商人の存在(ひいては都市京都と天皇・朝廷との関係性)などを具体的に究明した。
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