研究課題
若手研究
第一次世界大戦後の国際社会では、従来の勢力均衡を基調とする「旧外交」から、国際連盟などの多国間枠組みを通して紛争の平和的解決を図る「新外交」への転換が目指された。本研究では、満洲事変をめぐる日本の連盟外交を「新外交」への対応という観点から分析を試みた。戦間期の日本が「新外交」をいかに理解していたのか、また満洲事変がいかなる意味を持っていたのかについて検討した。
日本近代史
第一次世界大戦後の東アジアでは、連盟規約・九カ国条約・不戦条約といった3つの多国間枠組みが並存しており、第一次世界大戦後の東アジア国際秩序を律するうえで重要な役割を果たしていたことを指摘した。そのうえで、これらの多国間枠組みに対する日本の認識や外交戦略を明らかにした。さらに、戦間期の日本外務省がワシントン体制と国際連盟体制というふたつの「新外交」への対応が迫られていたこと、それぞれの担い手が異なる国際秩序観を抱いていたことなどを明らかにした。