誓約事項に続き、その違反時に神仏罰を受ける旨を複数の神仏名(勧請神)を伴って記載した起請文について、勧請神がどのような基準で選択・配列されていたのかを明らかにするため、本研究では、梵天・帝釈や「日本国中大小神祇」といった文言、八幡大菩薩や天満大自在天神などの日本の主要な神仏を中心に、勧請神の起請文への記載状況を整理・分析した。その成果として、中世を通じて日本全国で発給された起請文を収集し、データベース化するとともに、このうち中世後期の事例を一覧にして公開した。これにより、これまで地域や家単位など、個別的な特徴しか掴めなかった中世後期の起請文について、その全体像の把握が可能となった。
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