研究課題/領域番号 |
20K13198
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮本 亮一 東京大学, 附属図書館, 特任研究員 (00867856)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | フン系集団 / キダラ / エフタル / アルハン / バクトリア語文書 / アラビア語年代記 / トハーリスターン |
研究実績の概要 |
3年目にあたる2022年度は、一昨年・昨年に引き続き、種々の文献資料(中央アジア在地の諸言語、漢語文献、イスラーム時代のアラビア語年代記など)に記されているフン系集団の動向に関わる情報を調査した。 本年度は、これまでの研究の成果をいったん総括する成果として、一般向けではあるが、フンの時代に先行するクシャーン朝(後1世紀から3世紀)の動向と共に、南アジアへ進出したフン系集団の政治史的な動向、および、それらが在地社会に与えた影響を整理した、まとまった分量の記述を発表することができた。 また、フンの時代の以降、中央アジアの社会にどのような変化が生じたのか、という点にも着目し、トハーリスターン(現在のアフガニスタン北部、ウズベキスタン南部、タジキスタン南部にあたる)の宗教事情について分析を行った。在地社会に関わる研究としては、新出のバクトリア語文書の近年の研究状況を整理する口頭発表も行った。 さらに、2022年11月には、フランスへ海外出張を行い、フン系集団が展開したアフガニスタンの考古学調査に関する学会に参加し、これまでに行われてきた調査の総括、およびこれからの発掘調査の展望に関わる重要な情報を入手することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までと同様、資料の読解・分析は比較的順調に進んでいる。また、今年度は海外調査を実施し、考古学関係の情報(遺跡や出土貨幣など)を収集することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、フン系集団に関係する文献資料の読解・調査を継続すると共に、貨幣に関わる情報の収集・分析にも努める。次年度は、8月にオランダ・ライデンで開催されるヨーロッパイラン語学会に出席し、バクトリア語文書に記された在地社会の宗教事情に関する報告を行う予定にしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
若干の次年度使用額が生じたが、実施した内容に計画と異なる事態が生じたためではない。次年度使用額については、2023年度の計画に則って適切に利用する。
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