2020年春以降のコロナ禍により本研究も計画を見直さざるを得ず、代替手段として主に日本語外交文書に取り組んだ。その結果、シベリア出兵に関連して1918-1920年間に新疆に駐在した日本軍人の活動を明らかにし、さらにこの問題を発展させ、宇山智彦氏(北海道大学)と共に、カザフ自治政府アラシュオルダの幹部による日本政府への支援要請書(1919年)を検討した。他方、1938年にトルコで開催された「近東会議」に焦点を充て、日本軍人・外交官による中央ユーラシア出身のテュルク系ムスリムへの反ソ的アプローチが破綻したことを論じた。また、戦間期のタタール語雑誌2点の記事目録を作成し、自作サイトで公開した。
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