フランス革命・ナポレオン時代のフランスにおける地方議会の地方利害団体化の具体的なプロセスを明らかにすべく、旧ラングドック州東部に位置するガール県を事例として、ナポレオン時代の地方議会議員の経歴、社会経済的性格、地域代表性、及び県会と郡会の活動実態、租税配賦における両者の関係を明らかにした。以上の研究により、旧地方三部会における都市支配構造がナポレオン時代の地方議会にも継続してみられたこと、そうした地域代表性を備えた地方議会は、租税配賦をめぐり激しく対立したこと、こうした事態に対して、ナポレオン体制は「中立権力」として、公正な地域代表性を保障し、地域秩序の安定化を図ったことが明らかとなった。
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