| 研究課題/領域番号 |
20K13242
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| 研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
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研究代表者 |
松永 悦枝 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (40625927)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 土器葬送儀礼 / 飲食物表現 / 土器 / 土製模造品 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、食物表現にみる古代東アジア古墳の飲食儀礼の実態とその歴史的背景の解明を目指すものである。分析対象として、古墳に副葬される土器の組成と、土器の形態からみた地域様式を基軸に、①土製模造品、②動食物遺体、③炊飯具副葬、④破砕行為に着目し、とくに朝鮮半島三国古墳における土器副葬の詳細な動向を示す。食物を表現する土製模造品、それらの器となる土器の組成、食物調理に必要な器種である調理・炊飯具の副葬、そしてそれらと相反する器の打ち欠き行為という事象に着目し、日韓、そして中国大陸の事例の比較研究をおこなうことで、飲食物を示す儀礼行為が葬送儀礼のなかでどのように表現されてきたのか、これを通して各地域における墓制の特質をあきらかにすることを目的としている。
初年度となる2020年度は予定していた国内外調査ができなかったため、これまで収集してきた図面・資料類の整理を中心に研究を進めた。また、朝鮮半島嶺南地域における古墳を対象に、副葬土器にあらわれる打ち欠き儀礼について、土器様式と出土状況に着目して検討をおこない、打ち欠き行為の意味について、「新羅・加耶古墳の毀器と土器副葬」（韓国語）と題する論文を発表した。そして次年度に向けて、動植物遺体等出土古墳のデータベース作成の準備を進めた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大のため、予定していた国内外の調査ができなかったため、遅れが生じている。
国内外での資料調査の準備と並行し、これまで実施してきた図面・資料類の整理をおこないながら、対象資料の補足・分析を進めている。そのなかで本研究の主題の一つである土器の打ち欠き行為について、韓国語で研究成果を示すことができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、特に国外での資料調査ができない状況が続いている。国外調査が可能となるまでは、韓国人研究者と密に連絡を取りながら、現地における発掘調査および研究動向について情報を収集し、分析対象資料の蓄積を図る。
また、国内外調査が可能となった際、速やかに調査を実施することができるよう、関係各所と連絡を取りながら、昨年度実施できなかった調査も含めて現地における資料調査の準備を進める。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大のため、予定していた国内外の調査ができなかったことで、当初計画していた旅費に残額が生じた。緊急事態宣言の解除および海外渡航が可能となり次第、日本国内および韓国における調査をおこなう予定であり、残額分は資料調査および学会参加費にあてる。
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